今回はOECDが発表している暮らしやすさを測る指標のBLI:Better Life Index「よりよい暮らし指標」の国別ランキング をご紹介いたします。
このランキングは38か国(OECD加盟36か国+ブラジル、ロシアの2か国)での暮らしの11分野(住宅、収入、雇用、共同体、教育、環境、ガバナンス、医療、生活の満足度、安全、ワークライフバランス)など多岐にわたる指標から、利用者がオンライン上で自分の生活の満足度を測って比較することができる指標です。
世界一暮らしやすい国ランキング
(順位:国名 点数)
1位:ノルウェー (8.09P)
2位:デンマーク (7.95P)
3位:オーストラリア(7.85P)
4位:スウェーデン (7.80P)
5位:カナダ (7.78P)
6位:スイス (7.77P)
7位:アイスランド (7.72P)
8位:アメリカ (7.67P)
9位:フィンランド (7.61P)
10位:オランダ (7.56P)
・
23位:日本 (5.76P)
31位:チリ (4.86P)
32位:ハンガリ- (4.65P)
33位:ロシア (4.54P)
34位:ブラジル (4.52P)
35位:ギリシャ (4.30P)
36位:トルコ (3.94P)
37位:メキシコ (3.72P)
38位:南アフリカ (2.56P)
首位はノルウェー、日本は23位
今回の結果では、ノルウェーが首位となりました。そしてトップ10までには北ヨーロッパの国々が数多くランクインしました。
一方、下位にはアフリカ、中南米、東ヨーロッパの国々が多い結果となっています。
ちなみに日本のランクは23位という結果です。
トップのノルウェーは生活の満足度、安全の2項目で1位でした。今回ワーストとなった南アフリカは住宅、雇用、生活の満足度、医療の4項目で最下位でした。
続いて「よりよい暮らし」各11分野の指標についてみていきます。
"よりよい暮らし" 11分野の指標各ランキング
「住宅」ランキング
(一人当たりの部屋の数/ 住居費/基本的衛生設備の整備率)
1位:アメリカ
2位:ノルウェー
3位:オーストラリア
25位:日本
「収入」ランキング
(家計可処分所得/家計金融資産)
1位:アメリカ
2位:スイス
3位:ルクセンブルク
6位:日本
「雇用」ランキング
(就業率/長期失業率/平均年収/雇用保険)
1位:アイスランド
2位:スイス
3位:ノルウェー
13位:日本
「共同体」ランキング
(困ったときに頼れる親戚や友人がいると答えた人の割合)
1位:アイスランド
2位:アイルランド
3位:ニュージーランド
3位:デンマーク
25位:日本
「教育」ランキング
(高校修了者の割合/教育を受ける平均的年数/義務教育満了時の読解力/数学的および科学的リテラシー)
1位:フィンランド
2位:オーストラリア
3位:デンマーク
4位:日本
「環境」ランキング
(大気汚染/水質)
1位:アイスランド
2位:ノルウェー
3位:スウェーデン
19位:日本
「ガバナンス」ランキング
(投票率/立法過程における協議プロセスの整備状況)
1位:オーストラリア
2位:ベルギー
3位:アメリカ
37位:日本
「医療」ランキング
(平均寿命/自分の健康状態が良い、大変良いと答えた人の割合)
1位:ニュージーランド
2位:カナダ
2位:オーストラリア
34位:日本
「生活の満足度」ランキング
(生活の満足度の自己評価)
1位:ノルウェー
2位:デンマーク
2位:スイス
29位:日本
「安全」ランキング
(人口当たりの殺人件数/過去12か月に犯罪巻き込まれた人の割合)
1位:ノルウェー
2位:アイスランド
3位:スロベニア
3位:スイス
17位:日本
「ワークライフバランス」ランキング
(長時間勤務者の割合/余暇や個人的活動に充てた時間)
1位:オランダ
2位:デンマーク
3位:フランス
34位:日本
日本は医療とワークライフバランスの評価が低い結果
以上の結果をみますと、日本は結構厳しい状況であると言わざるを得ません。「住宅」の25位はある意味想定通りの結果ですが、一般的には高いと考えられている「雇用」13位、「安全」17位、「環境」19位が以外にも他国に比べて低い結果となっています。
また「医療」と「ワークライフバランス」に関しては共に34位と最低レベルとなっています。「医療」は日本人の平均寿命の高さから考えますと、日本人の健康状態に対する自己評価が非常に低いことが要因と言えます。
もうひとつの「ワークライフバランス」は週49時間以上の長時間労働の割合が他国と比べて高いことがその要因となっていると考えられます。
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