日本で叫ばれている高齢化問題ですが、世界と比べて日本はどのような状況になっているのでしょうか。
今回は世界の高齢化率についてのランキングです。
高齢化問題は先進国共通の課題
現在高齢化問題は、先進国共通の課題となっています。事実、65歳以上の人口割合を示す高齢化率は日本以外でも増加の一途をたどっております。
しかしこの高齢化率は今後は先進国のみならず発展途上国でも急速に進むと見込まれています。
日本においては、2018年のデータでは27.5%と世界で最も高齢化率が高い国となっています。
今回は世界における高齢化率ランキングをみていきたいと思います。
高齢化率の高い国Top10
(順位:国名 高齢化率※)
※高齢化率・・65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合を示す指標
1位:日本 27.5%
2位:イタリア 23.3%
3位:ポルトガル 21.9%
4位:ドイツ 21.7%
5位:フィンランド 21.6%
6位:ブルガリア 21.1%
7位:ギリシャ 20.6%
8位:クロアチア 20.13%
9位:スウェーデン 20.09%
10位: フランス 20.06%
(出典:世界銀行「Life expectancy at birth,total (years)」2018年)
1位の日本、2位のイタリアに大差
高齢化率1位の日本ですが、2位のイタリアにはかなりの差をつけています。この非常に高い高齢化率の要因ですが、これは平均寿命の延びに加えて少子化による若年人口の減少が原因とされ、今後も更に進むと予測されてます。
2025年にはいわゆる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、高齢者数とともに、介護・医療費の急増が懸念されており、これがいわゆる2025年問題と呼ばれています。
また高齢者が増えるとともに認知症の高齢者数も増え、その数は2025年には約320万人になると推計されています。
「団塊の世代」・・日本において第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代で、厚生労働省が出した白書では1947年(昭和22)~1949年(昭和24年)生まれ
としている。
超高齢社会の日本
WHO(世界保健機関)の定義では、高齢化率が7~14%の社会を「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、さらに21%超となると「超高齢社会」と定義しています。
高齢化は社会中で起きているが、中でも日本が「類をみない」と言われているのは、他国と比べて高齢化の進行が速いことにあります。今後2042年までは続くとみられています。
また高齢化に伴い、問題とされているのが労働力不足です。「労働力」とは財やサービスを生むために投入される人間の能力を示します。
またその担い手がどのくらい存在するのかしめしたのが「労働力人口」で、15歳以上人口に占める労働力人口の割合を「労働力率」といいます。
今後も労働力率は減少が予想されており、その解決のため、高齢者の労働力率の増加が注目されています。
主な国の65歳以上の労働力率
(65歳以上人口に占める就業者数)
(国名・65歳以上の労働力率)
スペイン 2.3%
フランス 3.1%
イタリア 4.8%
ドイツ 7.5%
イギリス 10.6%
スイス 12.0%
カナダ 14.0%
スウェーデン 17.7%
ノルウェー. 18.8%
アメリカ 19.6%
日本 24.7%
メキシコ 27.2%
インド 27.3%
エストニア 27.4%
韓国 32.2%
アイスランド 38.1%
(出典:OECD Statistics)
まとめ:今後の日本の対策は?
労働力不足に対する解消策として着目されているのが、高齢者の労働力率のアップです。
日本においては労働力人口に占める65歳以上の高齢者の割合は上昇しており、2018年では28.1%と上昇を続けております。
日本政府は2019年5月の「未来投資会議」で、企業に70歳までの雇用確保を求める具体的な方針をしめしました。
さらに、希望する者が70歳まで働けるようにするための高齢者雇用安定法改正案の骨格を発表しました。
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