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世界の医薬品支出額/ 医療費支出額ランキング

今回は世界の医療費と医薬品に対する支出についてご紹介いたします。

日本は諸外国に比べてどうなのか、医薬品支出額ランキングを見ていきたいと思います。

 

医薬品 注射

 

日本の医療費について

現在日本では少子高齢化に伴い医療費の増大が大きな課題となっています。日本が世界に誇る国民皆保険制度についてもこれまでと同水準での継続には黄色信号が灯り始めております。

2018年に厚生労働省が発表した2017年度の医療費総額は、前年比約9500億円増の42.2兆円となっており、過去最高額を更新しました。医療費財源の内訳は保険料で約50%、税金で約38%、残りが患者負担という状況です。

 

医薬品価格について

日本においては医薬品の薬価高騰を防ぐために医療用医薬品(医師の処方箋が必要な医薬品)に関しては公定価格(薬価制度)を定めており、一定のルールに基づいて国が薬価を決める仕組みとなっています。

一方でアメリカなどは製薬会社が自由に薬価を決めることができるため、薬価が高騰する傾向にあります。

OECD加盟における主な国の年間医薬品支出額を調べてみました。

 

一人あたり医薬品支出額(国別)

(国・地域  年間支出額)

アメリカ     1220ドル

スイス     963ドル 

日本      838ドル

カナダ     832ドル

ドイツ     823ドル

ベルギー    689ドル

オーストラリア 673ドル

韓国      660ドル

フランス    653ドル

オーストリア  646ドル

ギリシャ    603ドル

イタリア    601ドル

アイルランド  599ドル

スペイン    598ドル

スロバキア   577ドル

スウェーデン  515ドル

イギリス    469ドル

ロシア     439ドル

オランダ    396ドル

イスラエル   310ドル

 

 (参考:2015年~2018年、OECDデータ)

 

医薬品支出額はアメリカが突出。日本も高い水準に。

 このように見るとアメリカには及ばないものの、日本の医薬品支出額もかなり高い水準にあることがわかります。

現在日本も医薬品支出額の削減のために、国を挙げてジェネリック医薬品の普及促進や医薬品の薬価制度の見直し施策を打ち出しております。

とはいえ薬剤費は医療費の一部にしか過ぎません。日本においては薬剤費は医療費全体の20%程度と言われております。

続いては一人当たりの年間医療費支出額ランキングを紹介いたします。

 

医療費支出額ランキングTop10

  1位:アメリカ    9870ドル 

  2位:スイス     9836ドル 

  3位:ノルウェー   7478ドル 

  4位:ルクセンブルク 6271ドル 

  5位:スウェーデン  5711ドル

  6位:デンマーク   5566ドル

  7位:アイスランド  5064ドル

  8位:オーストラリア 5002ドル

  9位:アイルランド  4759ドル

10位:オランダ    4742ドル

ドイツ        4714ドル

フランス       4263ドル

日本         4233ドル

世界平均       1026ドル

 (参考:World Development Indicators)

 

 医療費支出額はアメリカとスイスが高い水準

 こちらのランキングでは日本はベスト10に入っていない状況です。ドイツ、フランスなどと同程度の水準であることがわかります。ただし国の経済的水準がそれぞれ異なるため、GDP比で考えたほうがより実態としてわかりやすいと思います。

そこで続いては主要国の対GDP比を見比べてみたいと思います。そして中でも、中国・アメリカ・日本の状況について比較してみました。

 

対GDP比医療費支出割合 

アメリカ   :17.1%
スイス    :12.1%
ブラジル   :11.8%
フランス   :11.5%
ドイツ    :11.1%
スウェーデン :10.9%
日本     :10.9%
カナダ    :10.5%
ノルウェー  :10.5%
オランダ   :10.4%
デンマーク  :10.4%
オーストリア :10.4%
世界平均   :10.0%
イギリス   :9.8%
オーストラリア:9.3%
スペイン   :9.0%
アルゼンチン :7.5%
アイルランド :7.4%
韓国     :7.3%
ルクセンブルク:6.2%
メキシコ   :5.5%
ロシア    :5.3%
中国     :5.0%
インド    :3.7%
タイ     :3.7%

(参考:World Development Indicators) 

 

対GDP額でもアメリカが断トツ1位、日本も世界平均以上

 上記ランキングをみたときにGDP比率でみると日本も10.9%と世界の中では平均以上の水準となっております。

ただし、その背景として国民皆保険で自己負担額が抑えられているために、病気にかかった時に誰でも気軽に病院にかかれるという状況があります。

実際、日本の病院数は断トツで世界1位(約8400施設)という事実があります。そして医療の質も世界でトップクラスなので、トータルで考えれば非常に医療制度に恵まれた国と言えます。

 

 日本・中国・アメリカの課題

まず日本の課題としては、恵まれた保険制度に支えられながらも、平均寿命の伸長、少子高齢化によって社会保険や公費などで負担する医療費が増大し続け、財政の圧迫と世代間の不公平感などが顕在化しており、今後は高齢者の自己負担額の見直しや保険給付範囲の制限など、制度の見直しが迫られている時期に来ていると思います。 

 一方中国では、対GDP比は5.0%と非常に低い数字となっておりますが、中国の場合、入院以外は皆保険になっていないため、例えば風邪で診療を受ける際には最低500元(約8500円)の医療費を自己負担しなければならないとされています。

これは日本と中国の物価差を考えるとかなりの負担感になると思われます。よって軽い症状ではそもそも病院にかからない人が相当数いると想像できます。そのような事情から医療費が自発的に抑えられている状況があるとも推測されます。

 最後に、アメリカにおいては前述の医薬品の年間支出が世界1位であり、医療費支出額世界1位、対GDP比も世界1位となっておりますが、高額医療費のために破産する者が相次ぐような状況です。
実はアメリカの医療制度は日本と違い、国民にとっては全く優しくない医療制度となっています。
これはやはり国民皆保険制度のある日本などと異なり、社会保険で医療費が賄われていないことが大きな要因と考えられえらます。

  

 アメリカの厳しい医療制度について取り上げた映画「シッコ」‥日本で良かったと思えます

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