はじめに
かつて働き過ぎの日本人と言われておりましたが、現在はどのような状況にあるのでしょうか?
今回は世界の労働環境についてまとめてみました。
2019年4月より、いわゆる「働き方改革」がスタートしました。
特に長時間労働の是正は大きな課題となっているが、果たして日本の労働環境は世界の国々と比較してどのような状況になっているのでしょうか。
まずは労働時間から、比較してみたいと思います。
国別平均労働時間(年間)(2018年)
(国名:年間労働時間)
メキシコ :2148時間
韓国 :2005時間
アメリカ :1786時間
OECD平均:1734時間
イタリア :1723時間
カナダ :1708時間
日本 :1680時間
イギリス :1538時間
フランス :1520時間
オランダ :1433時間
ドイツ :1363時間
(参考:OECD STAT )
これのデータをみますと実は日本の労働時間はOECD平均よりも短いということがわかります。
更に有給休暇の取得状況ついて見ていきたいと思います。
国別有給休暇日数と取得率(2018年)
(国名:年間有給休暇日数ー有給日数の取得率)
ブラジル :30日-100%
フランス :30日-100%
スペイン :30日-100%
イタリア :28日-75%
インド :20日-75%
香港 :14日-100%
メキシコ :15日-93%
シンガポール :15日-93%
韓国 :15日-93%
オーストラリア:20日-70%
アメリカ :14日-71%
日本 :20日-50%
(参考:エクスペディアジャパン)
このデータをみますと日本の有給休暇付与日数は平均程度であるものの、その取得率は50%と低いため、結果的に有給消化日数としては10日間と他国に比べて少ない結果となっております。
日本はいわゆる国民の休日(祝日)は非常に多いのですが、祝日は皆の休みが集中してしまうことで交通渋滞や観光地の混雑が発生してしまうという問題が発生します。
その点では、個人の有給休暇をしっかりと取得できる環境があれば、むしろその方が好ましいのではないでしょうか。
つぎに国別の最低賃金の比較です。
国別最低賃金(主要国の時給)
(国名:最低時給)
オーストラリア:12.1ドル
ルクセンブルク:11.8ドル
フランス :11.5ドル
ドイツ :10.9ドル
オランダ :10.4ドル
イギリス :9.6ドル
カナダ :9.5ドル
日本 :8.1ドル
韓国 :7.9ドル
アメリカ :7.3ドル
トルコ :6.1ドル
ロシア :2.3ドル
ブラジル :2.2ドル
メキシコ :1.1ドル
(参考:OECD STAT )
日本は2000年から最低賃金がほとんど伸びていないという状況です。
多くの国が10%以上の伸びを示しているのに対しては日本は0.3%しか伸びていません。これはデフレが主な原因と言われております。
一方で韓国のように最低賃金を急激に引き上げてしまうと、零細企業の倒産を招くことになり、失業率の増加を招いてしまい経済状況を悪化させる要因となってしまいます。
続いては世界108か国を対象にした失業率ランキングをご紹介いたします。
世界の失業率ランキング(2018年)
(順位:国名・地域 ※失業率%)
1位:ベネズエラ 35.03%
2位:南アフリカ 27.13%
3位:ナイジェリア 22.56%
4位:マケドニア 20.73%
5位:スーダン 19.50%
6位:ギリシ 19.30%
7位:ボスニア・ヘルツェゴビナ 18.40%
8位:ヨルダン 18.28%
9位:アルメニア 18.18%
10位:チュニジア 15.43%
・
21位:イタリア 10.63%
31位:フランス 9.05%
54位:カナダ 5.83%
76位:イギリス 4.08%
81位:アメリカ 3.89%
84位:韓国 3.84%
86位:中国 3.80%
88位:台湾 3.71%
92位:ドイツ 3.40%
・
99位:アイスランド 2.74%
100位:スイス 2.55%
101位:日本 2.44%
102位:チェコ 2.24%
103位:ベトナム 2.21%
104位:シンガポール 2.10%
105位:マカオ 1.80%
106位:クウェート 1.32%
107位:タイ 1.20%
108位:ベラルーシ 0.43%
(出典:IMF-World Economic Outlook Databases 2019年10月版)
※失業率は、ILO基準、OECD基準、国家基準のいずれかで定義される。
まとめ
失業率を比べてみますと日本は世界的にみて非常に失業率の低い国であることがわかります。最低賃金は低いと言われていますがアメリカよりも高い水準にあり、全般的にみると労働環境は恵まれた国といえるのかもしれません。
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