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世界の軍事力ランキング(2019年)~米ロ中3強~

中国中央テレビは2019年11月23日、「中国国防省は東シナ海防空識別圏を設定した」と報じました。
この防空識別圏には日本の尖閣諸島が含まれています。
今回は、米国の軍事力評価機関が各国の軍事力を算出したランキングです。

 

戦闘機F22

米軍事調査会社による2019年軍事力ランキング

米国のグローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)の「2019年軍事力ランキング(2019Military Strength Rankig)」は、55以上の要素を総合的に評価し、世界137か国の軍事力指数指数(Power Index)のスコアを算出しております。

今回のランキングでは、各国が保有している武器の種類動員可能な兵員数に注目し、地理、兵站能力、利用可能な天然資源、産業の状態なども考慮されております。

また、NATO加盟国(北大西洋条約機構)は他の加盟国と共有したリソースがあるため、わずかに加点されております。

核兵器の保有は加点対象となっておりますが、保有量は考慮されておりません。また海のない国が海軍をもっていない場合は減点されていません。

尚、軍事力の総合指標となる「指数」につきましては0.0000が最高となり、その値に近ければ近いほど軍事力が高いことを意味します。

 

軍事力ランキングTop20

1位:アメリカ 
  • 指数:0.0615(NATO加盟国) 
  • 兵員(推定):214万1900人
  • 航空戦力:1万3398(1位)
  • 戦闘機:2362(1位)
  • 戦車:6287(3位)
  • 主要艦艇:415(空母24)
  • 核保有:あり
2位:ロシア
  • 指数:0.0639
  • 兵員(推定):358万6128人
  • 航空戦力:4078(2位)
  • 戦闘機:839(3位)
  • 戦車:2万1932(1位)
  • 主要艦艇:352(空母1、現在は使用不能)
  • 核保有:あり
3位:中国
  • 指数:0.0673
  • 兵員(推定):269万3000人
  • 航空戦力:3187(3位)
  • 戦闘機:1222(2位)
  • 戦車:1万3050(2位)
  • 主要艦艇:714(空母1)
  • 核保有:あり
4位:インド
  • 指数:0.1065
  • 兵員(推定):346万2500人
  • 航空戦力:2082(4位)
  • 戦闘機:520(4位)
  • 戦車:4184(6位)
  • 主要艦艇:295(空母1)
  • 核保有:あり
5位:フランス
  • 指数:0.1584(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):38万8635人
  • 航空戦力:1248(8位)
  • 戦闘機:273(10位)
  • 戦車:406(44位)
  • 主要艦艇:118(空母4)
  • 核保有:あり
6位:日本
  • 指数:0.1707
  • 兵員(推定):30万3157人
  • 航空戦力:1572(6位)
  • 戦闘機:297(8位)
  • 戦車:1004(25位)
  • 主要艦艇:131(空母4)
  • 核保有:なし
7位:韓国
  • 指数:0.1761
  • 兵員(推定):582万7150人
  • 航空戦力:1614(5位)
  • 戦闘機:406(6位)
  • 戦車:2654(9位)
  • 主要艦艇:166(空母1)
  • 核保有:なし
8位:イギリス
  • 指数:0.1797(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):23万3000人
  • 航空戦力:811(15位)
  • 戦闘機:129(19位)
  • 戦車:331(49位)
  • 主要艦艇:76(空母1)
  • 核保有:あり
9位:トルコ
  • 指数:0.2089(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):73万5000人
  • 航空戦力:1067(10位)
  • 戦闘機:207(14位)
  • 戦車:3200(7位)
  • 主要艦艇:194
  • 核保有:なし
10位:ドイツ
  • 指数:0.2097(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):20万8641人
  • 航空戦力:613(17位)
  • 戦闘機:122(20位)
  • 戦車:900(26位)
  • 主要艦艇:81
  • 核保有:なし
11位:イタリア
  • 指数:0.2277(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):35万7000人
  • 航空戦力:831(14位)
  • 戦闘機:94(25位)
  • 戦車:200(60位)
  • 主要艦艇:137(空母5)
  • 核保有:なし
12位:エジプト
  • 指数:0.2283
  • 兵員(推定):92万人
  • 航空戦力:1092(9位)
  • 戦闘機:211(13位)
  • 戦車:2160(14位)
  • 主要艦艇:319(空母2)
  • 核保有:なし
13位:ブラジル
  • 指数:0.2487
  • 兵員(推定):167万4500人
  • 航空戦力:706(16位)
  • 戦闘機:43(42位)
  • 戦車:437(40位)
  • 主要艦艇:110
  • 核保有:なし
14位:イラン
  • 指数:0.2606
  • 兵員(推定):37万3000人
  • 航空戦力:509(24位)
  • 戦闘機:142(17位)
  • 戦車:1634(18位)
  • 主要艦艇:398
  • 核保有:なし(?)
15位:パキスタン
  • 指数:0.2798
  • 兵員(推定):120万4000人
  • 航空戦力:1342(7位)
  • 戦闘機:348(7位)
  • 戦車:2200(13位)
  • 主要艦艇:197
  • 核保有:あり
16位:インドネシア
  • 指数:0.2804
  • 兵員(推定):80万人
  • 航空戦力:451(30位)
  • 戦闘機:41(43位)
  • 戦車:315(52位)
  • 主要艦艇:221
  • 核保有:なし
17位:イスラエル
  • 指数:0.2964
  • 兵員(推定):61万5000人
  • 航空戦力:595(18位)
  • 戦闘機:595(11位)
  • 戦車:2760(8位)
  • 主要艦艇:65
  • 核保有:あり?(正式表明はしていない)
18位:北朝鮮
  • 指数:0.3274
  • 兵員(推定):758万人
  • 航空戦力:949(11位)
  • 戦闘機:458(5位)
  • 戦車:6075(4位)
  • 主要艦艇:967
  • 核保有:あり
19位:オーストラリア
  • 指数:0.3277
  • 兵員(推定):7万9700人
  • 航空戦力:467(28位)
  • 戦闘機:78(27位)
  • 戦車:66(86位)
  • 主要艦艇:47(空母2)
  • 核保有:なし
20位:スペイン
  • 指数:0.3921(NATO加盟国)
  • 兵員(推定):13万人
  • 航空戦力:522(23位)
  • 戦闘機:136(18位)
  • 戦車:327(51位)
  • 主要艦艇:46(空母1)
  • 核保有:なし

(出典:Global FirePower「2019Military Strength Ranking」)

 

以上世界の軍事力ランキングをご紹介いたしました。このよう比較してみますと、やはりアメリカ、ロシア、中国の3か国の軍事力が突出していることがわかります。その中でロシアは軍事費削減の方向にあるため、近いうちに軍事力においてもアメリカと中国の2強時代に入っていくものと思われます。

 

今回はもう1点、世界の軍事費ランキングを2018年SIPRIの発表データからランキングしていきたいと思います。

 

世界の軍事費ランキングTop10

(順位:国名・軍事費・2016年比)

  • 1位:アメリカ     6335.7億ドル   +3%
  • 2位:中国       2392.2億ドル     +11%
  • 3位:インド       665.8億ドル      +10%
  • 4位:サウジアラビア   658.4億ドル   +4%
  • 5位:ロシア       641.9億ドル      -22%
  • 6位:フランス      595.4億ドル   +1%
  • 7位:イギリス      468.8億ドル   -0.04%
  • 8位:ドイツ       461.9億ドル   +8%
  • 9位:日本        453.6億ドル   +0.02%
  • 10位:韓国        411.6億ドル  +7%

 (出典:SIPRI「Military Expenditure Database」)

 

アメリカの状況

「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ政権は、中国・ロシアへの対抗姿勢も強めており、2020年度の予算教書で国防費を前年度比5%増の7500億ドルとするゆお要求しています。中国・ロシアとの競争が激しくなる宇宙やサイバー領域での強化を進めており、米軍での優位性の維持を目指しています。

 

中国の状況

中国の2019年度の国防費は全前年比7.5%増で過去最高を更新いたしました。GDP成長率の目標をも上回る高い伸びを維持しており、経済成長が鈍化しても軍備増強を優先する姿勢を示しています。

 

NATO諸国の状況

NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルク事務総長は、加盟29か国の国防費を2020年までに約1000億ドル増額すると表明しました。これはNATO加盟国の国防費増額を求めてきたトランプ大統領の意向に応えた結果となっています。

 

 日本の状況

日本においては、微増ながら2018年も増額となり、7年連続の増加となっています。北朝鮮や中国への対応がその背景にあります。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」、護衛艦「いずも」の空母化、ステルス戦闘機F35Aの購入などで2019年度予算案も過去最高の防衛費となりました。

 

まとめ

今なお不安定化する国際情勢により、各国は軍備増強への強い動機を与えられています。挑発を続ける北朝鮮に、米中の二大国の覇権争い、さらには終結への見通しの立たないシリアやウクライナの内戦などが不安定要素としてあげられます。

特に中国の覇権拡大政策は、経済成長如何によらず軍備増強を緩めない姿勢を鮮明に示しており、この10年間で軍事費を3倍にまで膨らませています。地域別にみて軍事費の増加が顕著なのは中国、インドにけん引されたアジアですが、アメリカもトランプ政権のもと中露への対抗を強めて軍事費増強に舵を切っています

世界の軍事費は全体としては2018年で1兆7800億ドルとなっており、2016年比で4%の増額となっていて、全体としても過去最高を更新し続けています

 

 

 

 

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