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世界の経済成長率ランキング(2019年版)、20年成長率予測

アメリカの保護主義政策とそれに伴う米中の貿易摩擦、またイギリスのEU離脱などで世界経済は不透明な状態が続いています。

今回は2019年の世界の国別経済成長率(予測値)のランキングをご紹介いたします。 

 

上昇グラフ 数値

経済成長率ランキングTOP10 

【順位:国名  経済成長率(2019年7月予測)】

  1位 :ガーナ        (8.8%)

  2位 :南スーダン      (8.8%)

  3位 :ドミニカ    (8.0%)

  4位 :ルワンダ       (7.8%)

  5位 :エチオピア      (7.7%)

  6位 :コートジボワール     (7.7%)

  7位 :バングラディッシュ   (7.3%)

  8位 :インド        (7.3%)

  9位 :セネガル       (6.9%)

10位:カンボジア       (6.8%)

 (出典:IMF「World Economic Outlook Database,April 2019」 )

 

続いては反対にマイナス成長のランキングも発表いたします。

経済成長率マイナスランキングTOP10

  1位:ベネズエラ  (-16.3%)

  2位:イラン       (-15.0%)

  3位:ジンバブエ     (‐8.5%)

  4位:ニカラグア   (-3.8%)

  5位:赤道ギニア   (-3.6%)

  6位:トルコ               (-2.5%)

  7位:スーダン           (-2.3%)

  8位:アルゼンチン    (-1.2%)

  9位:プエルトリコ    (-1.1%)

10位:ナウル               (-1.0%)

(出典:IMF「World Economic Outlook Database,April 2019」 ) 

 

経済成長率の上位にアフリカ諸国

多くの国が投資先として注目しているのはアフリカ諸国で、高い経済成長率を保っている国が多いです。とりわけエチオピアは高い成長率を維持し続けています。

その一方、国による格差も大きく、南アフリカやナイジェリアなど石油などの資源の輸出に依存している国は、資源価格の下落によって財政収支が悪化する懸念があります。
また、経済格差の問題を抱えている国も多く、所得や資産の不公平や格差を測るための尺度であるジニ係数は悪化していて暴動などが起きる可能性も高く、社会の不安定さが懸念材料となっています。

 

世界全体および主な国の状況は以下の通りとなっております。

世界の主な国の経済成長率(2019年予測値)

世界全体   (3.2%)

中国     (6.3%)

タイ     (3.5%)

韓国     (2.6%)

アメリカ   (2.3%)

ブラジル   (2.1%)

オーストラリア(2.1%)

スペイン   (2.1%)

カナダ    (1.5%)

フランス   (1.3%)

イギリス   (1.2%)

日本     (1.0%)

ドイツ    (0.8%)

イタリア   (0.1%)

 (参考:「World Economic Outlook Database,April 2019」)

IMFは2019年7月、2019年の世界経済の見通しを3.2%と予測し、4月の予測から0.1%下方修正しました。
先進国ではプラス要因も見られましたが、途上国の経済活動は予測を下回っていて、世界の経済は低迷しています。
2020年には好転する(3.5%)との予測もありますが、これは途上国の経済の安定や米中の貿易摩擦が解決に向かうことが前提となっています。
世界貿易が低調で物価上昇率も低水準なら20年の見通しは下振れする可能性があります。

 

世界の主な国の経済成長率(2020年予測値) 

世界全体   (3.4%)

インド    (7.0%)

中国     (5.8%)

アメリカ   (2.1%)

ブラジル   (2.0%)

スペイン   (1.8%)

イギリス   (1.4%)

フランス   (1.3%)

ドイツ    (1.2%)

イタリア   (0.5%)

日本     (0.5%)

 (参考:IMF「World Economic Outlook Database,Oct2019」)

2020年の経済成長率予想、日本の伸びは低い予想

予測値としては2020年の日本経済の成長率は2019年以上に厳しい状況になると推察されています。これは世界の先進諸国の中でも最低の伸び率となります。
東京オリンピックの経済効果が32兆円と言われておりましたが、単年としての経済効果は限定的になりそうです。

IMFは今回の見通しで、米中間の追加関税の影響をアップデートし、これまで同様に直接的な影響のみならず、景況感の悪化や市場の反応といった2次的な影響の大きさが懸念されています。

既に発動済みの措置に加えて、企業心理が悪化して投資が減退し、金融市場に負の影響が及んだり産業の生産性が落ち込んでしまった場合には、2020年に約7000億ドル(世界のGDPの0.79%、スイス1か国の経済規模に相当)が損失される見通しとなっています。同様に中国は最大1.97ポイント、米国は0.58ポイント、日本は0.43ポイントそれぞれ成長が下押しされるとの試算結果が示されました。
このように日本へのマイナス影響がさけられない状況となります。

IMFは今回の予測以上に世界経済が減速する可能性も十分にあり得るとして、これを阻止するために政策面では貿易摩擦の解消及び多国間協力の必要性があると指摘しています。

 

 

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