以前の記事で化石燃料の埋蔵量ランキングをご紹介しました。
化石燃料の埋蔵量ランキング~シェールガス/オイルで勢力図に変化?~ - Shoko-Ranking
今回はその生産量と消費量にスポットを当てた国別ランキングです。
- アメリカが台頭する世界のエネルギー覇権争い
- 石油の生産量ランキングTop5
- 石油の消費量ランキング Top5
- 天然ガス生産量ランキングTop5
- 天然ガス消費量ランキングTop5
- 日本の原油輸入先(2017年)
- イランの原油輸出先(2017年)
- アメリカが台頭する世界のエネルギー覇権争い
- 石油の生産量ランキングTop5
- 石油の消費量ランキング Top5
- 天然ガス生産量ランキングTop5
- 天然ガス消費量ランキングTop5
- 日本の原油輸入先(2017年)
- イランの原油輸出先(2017年)
アメリカが台頭する世界のエネルギー覇権争い
アメリカが世界最大の産油国の座に返り咲いたことは、世界のエネルギー市場の勢力図を一変させる可能性があります。
これまで原油価格に影響を与えてきたOPEC(石油輸出国機構)諸国の地位が低下し、軍事でも経済でも覇権を握るアメリカが、エネルギーでも世界を意のままに動かす時代が来ることが予想されます。
一方天然ガスでも輸出を急拡大するアメリカが市場の覇権巡りロシアと激しく争う構図が生まれています。
石油の生産量ランキングTop5
(順位:国名 1日あたり石油生産量2018年)
1位:アメリカ 1531万バレル
2位:サウジアラビア 1229万バレル
3位:ロシア 1144万バレル
4位:カナダ 521万バレル
5位:イラン 472万バレル
世界全体: 9472万バレル
(出典:BP「Statistical Review of World Energy June2018」)
石油の消費量ランキング Top5
(順位:国名 1日あたり石油消費量2018年)
1位:アメリカ 2046万バレル
2位:中国 1353万バレル
3位:インド 516万バレル
4位:日本 385万バレル
5位:サウジアラビア 372万バレル
世界全体: 9984万バレル
(出典:BP「Statistical Review of World Energy June2018」)
アメリカの石油事情
シェールオイル開発が進むアメリカは、禁止していた原油輸出を2015年に解禁して以降、輸出量を順調に増やしており、新たな石油輸出国として国際石油市場の勢力図を塗り替えています。
トランプ政権が対イラン制裁を再開し、イラン産原油が市場から締め出されることで、米国産原油の需要がさらに増えることの見通しもあります。
天然ガス生産量ランキングTop5
(順位:国名 天然ガス生産量2018年)
1位:アメリカ 7345億㎥
2位:ロシア 6356億㎥
3位:イラン 2239億㎥
4位:カナダ 1763億㎥
5位:カタール 1757億㎥
世界全体: 3兆8679億㎥
(出典:BP「Statistical Review of World Energy June2018」)
天然ガス消費量ランキングTop5
(順位:国名 天然ガス消費量2018年)
1位:アメリカ 7395億㎥
2位:ロシア 4248億㎥
3位:中国 2404億㎥
4位:イラン 2239億㎥
5位:日本 1171億㎥
世界全体: 3兆8489億㎥
(出典:BP「Statistical Review of World Energy June2018」)
結果として石油の生産量・消費量そして天然ガスの生産量・消費量もすべてアメリカが世界1位という状況となっています。
アメリカとイランとの間に挟まれる日本
トランプ政権は前政権が結んだイランとの核合意を破棄し、対イラン制裁を復活させました。
そして欧州、中国、日本など各国にイラン産原油の輸入停止を要求しましたが、イラン核合意の維持を望む英・独・仏の3か国首脳はトランプ政権を批判し、中国は要求をはっきりと拒否しました。
一方、日本はイランと独自の友好関係を維持し、原油の輸入も少ないものの、対北朝鮮でアメリカと連携しなければならないこともあり対応に苦慮しています。
イラン産原油が禁輸されれば、代替調達先を確保しなければならず、エネルギーの安定供給は厳しい局面に立たされています。
日本の原油輸入先(2017年)
1位:サウジアラビア 40%
2位:アラブ首長国連邦 24%
3位:クウェート 7%
4位:カタール 7%
5位:ロシア 6%
6位:イラン 5%
7位:イラク 2%
8位:メキシコ 1%
9位:インドネシア 1%
その他:7%
(出典:経済産業省「石油統計」)
イランの原油輸出先(2017年)
1位:中国 24%
2位:インド 18%
3位:韓国 14%
4位:トルコ 9%
5位:イタリア 7%
6位:日本 5%
7位:フランス 5%
8位:アラブ首長国連邦 5%
その他:13%
(出典:Clipper Data)
日本のエネルギー調達状況(自前分)
日本は国内で消費するエネルギーのほとんどを輸入に頼っています。
そのため国際情勢の急変などでいつエネルギー輸入が途絶するかもしれないという不安が常につきまとっています。
このリスクを軽減するために日本政府は日本企業が権益を持つ石油や天然ガスの割合(自主開発比率)を高める努力を続けてきました。
2016年の自主開発比率は27.4%と過去最高を記録しました。政府は2030年にこれを40%以上に引き上げることを目標にしています。
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