世界のGDPランキング、一人あたりGNIランキングです。
世界経済の状況
世界銀行の「世界経済見通し(2019年6月版)」では米中貿易摩擦などの影響で19年の世界経済成長率は前年比-0.4%の2.6%となると予測されました。
しかし、世界銀行のマルバス総裁はその後ブレグジットの影響や新興国の成長鈍化などで成長率が2.6%に届かない可能性に言及しています。
今回は最もメジャーな経済指標となる世界のGDPランキングと1人あたりGNIをご紹介いたします。
GDP(=国内総生産)
「国内で1年間に生産されたモノやサービスの付加価値」で国内生産のみ評価しており、日本企業が海外で生産したモノやサービスは含まれません。その国や地域の経済を測る指標として用いられています。
GNI(=国民総所得)
「居住者が国内外から1年間に得た所得の合計」でGDPと異なり海外投資などで得た収益も加えた指標となっています。国外からの所得が増えている昨今、注視される指標となっています。
世界のGDPランキング TOP10
【順位:国名 2018年GDP額】
1位:アメリカ 20兆4941億ドル
2位:中国 13兆6194億ドル
3位:日本 4兆9709億ドル
4位:ドイツ 3兆9968億ドル
5位:イギリス 2兆8252億ドル
6位:フランス 2兆7775億ドル
7位:インド 2兆7263億ドル
8位:イタリア 2兆0739億ドル
9位:ブラジル 1兆8686億ドル
10位:カナダ 1兆7093億ドル
次点:ロシア 1兆6576億ドル
(出典:世界銀行「World Development Indicators」)
アメリカ、中国、日本の状況
アメリカは2009年7月から始まった景気拡大局面が過去最高となる11年となりました。しかし足元では米中貿易摩擦などによる景気減速懸念も強く、19年7月末には08年12月以来となる政策金利引き下げを行いました。
中国は2030年ごろには、世界一の経済大国になるとみられていますが、18年7月にトランプ政権が知的財産権侵害に対する制裁関税を発動し、中国も報復関税を発動する貿易戦争に発展しています。
これによって中国経済は輸出や投資、消費の低迷で減速傾向が続いています。
日本の2018年の実質GDP成長率は0.7でした。1%超の事前予測を下回ったのは、豪雨や地震などの自然災害と米中貿易摩擦に伴う貿易の低迷が理由とされます。
OECDの予測では19年の経済成長を1.0%と見通しています。
GDP(国内総生産)とGNI(国民総所得)
GDP(国内総生産)はその国の「国内」の経済規模を表す最もメジャーな指標として使われております。
一方、GDP指標だと国内で生産されたモノやサービスの価値しか反映されていないため、その国の「国民」による国内所得に海外所得も含めた指標としては、GNI(国民総所得)が用いられます。
かつてはこのGNIによく似た指標としてGNP(国民総生産)が使われていましたが、現在GNPという言葉は使われておりません。しかしGNIはこのGNPとほとんど同じ概念と考えてよいようです。
続いては1人あたりのGNIランキングをご紹介いたします。
1人あたりGNIランキング TOP20
【順位:国名・地域 2018年1人当たりGNI額】
1位:スイス 8.4万ドル
2位:ノルウェー 8.1万ドル
3位:マカオ 7.83万ドル
4位:ルクセンブルク 7.78万ドル
5位:アメリカ 6.3万ドル
6位:カタール 6.1万ドル
7位:デンマーク 6.0万ドル
8位:アイルランド 5.94万ドル
9位:シンガポール 5.88万ドル
10位:スウェーデン 5.5万ドル
11位:オーストラリア 5.3万ドル
12位:オランダ 5.1万ドル
13位:香港 5.0万ドル
14位:オーストリア 4.9万ドル
15位:フィンランド 4.8万ドル
16位:ドイツ 4.7万ドル
17位:ベルギー 4.54万ドル
18位:カナダ 4.49万ドル
19位:日本 4.134万ドル
20位:イギリス 4.133万ドル
~その他の国・地域 ~
21位:フランス 4.11万ドル
26位:イタリア 3.4万ドル
28位:韓国 3.1万ドル
63位:ロシア 1.0万ドル
65位:中国 9470ドルえば
69位:ブラジル 9140ドル
138位:インド 2020ドル
世界平均: 1.1万ドル%
日本の1人当たりGNIは世界19位
TOP1・2位はスイス、ノルウェーと前回同様のランキングとなっております。
日本は1人あたり金額で前年比107%となり、ランキングも22位から19位へと順位を上げました。
1人あたりGNIの上位国としては北欧諸国が多く、アメリカを除けばTOP10にはGDP額そものの上位国はランキングされておりません。
また中国は人口の多さから、1人あたりGNI額では他の先進国に比べ相対的にかなり低く、インドに至ってはGDP6位でありながら1人あたりGNIでは全体の中でも下位に位置する状況となっています。
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