今回は中国人に人気の旅行先についてご紹介いたします。
- 2019年中国人の旅行先は日本がトップで大阪が1位
- 観光目的の1位は花見
- 中国の祝日
- 春節(しゅんせつ)とは
- 2020年の春節について
- 春節期間の旅行先ランキングTOP10(2020年・短期)
- 春節期間の旅行先ランキングTOP10(2020年・長期)
2019年中国人の旅行先は日本がトップで大阪が1位
2019年に日本へ訪れた中国人旅行者数は前年比14.5%増の959万4300人と発表されました。また中国の大手旅行会社シートリップの調査では国別のビザ申請数において日本は84カ国中1位であったと発表されました。
また同社の「2019年訪日中国人FIT観光客同行レポート」によれば、個人旅行先の人気都市のTOP5は、1位:大阪 2位:東京、3位:沖縄、4位:札幌、5位:名古屋の順となっています。
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観光目的の1位は花見
また観光目的の人気トップは、1位:花見、2位:紅葉狩り、3位:温泉、4位:雪見・ウィンタースポーツ、5位:離島バケーション、6位:着付け、7位:グルメ巡り、8位:神社仏閣への参拝、9位:テーマパーク、10位:コンサート/ショー観戦・スポーツ観戦となっています。
中国の祝日
中国には春節、清明節、労働節、端午節、中秋節、国慶節と呼ばれる国民の休日があります。その中で特に大型の連休になるのが春節(しゅんせつ)と国慶節(こっけいせつ)です。この時期には多くの中国人観光客が日本に訪れ、経済効果も非常に高いことから、ニュースやワイドショーなどのメディアで取り上げられる機会も多く、春節と国慶節は日本でも知られるようになった連休です。
春節(しゅんせつ)とは
中国を含む中華圏においては新暦ではなく、旧暦で正月を祝います。よって、春節とは中国の正月(日本でいうところの旧正月)といえます。中華圏で最も重要とされる祝祭日であり、この春節に代表される旧正月は中国や台湾のみならず、シンガポールや韓国など9つの国や地域で数日間の祝日が設定されています。2020年においては旧暦1月1日が西暦の1月25日となります。連休期間は旧暦の大晦日(1月24日)からの7連休となります。
2020年の春節について
今年は春節を迎えた中国において、新型コロナウイルスが流行拡大の一途となっています。中国政府は1月27日に新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、今年の春節期間を2月2日まで延長することを発表いたしました。
本来であれば、この期間に日本に多数の中国人が旅行に来ることが予想されておりましたが、中国政府が海外への団体旅行を禁止にしたことで、大幅に旅行者数が減少することが確定的となってしまいました。しかし、中国人がどんな国へ旅行に行こうとしていたのかは気になるところです。
今回は中国の大手旅行会社シートリップの調査データから春節・国慶節における中国人の人気旅行先ランキングを記載いたします。
春節期間の旅行先ランキングTOP10(2020年・短期)
1位:日本
2位:タイ
3位:シンガポール
4位:マレーシア
5位:ベトナム
6位:インドネシア
7位:フィリピン
8位:カンボジア
9位:スリランカ
10位:インド
(参考:Ctripグループ調査より)
春節期間の旅行先ランキングTOP10(2020年・長期)
1位:オーストラリア
2位:アメリカ
3位:イタリア
4位:ニュージーランド
5位:イギリス
6位:スペイン
7位:ロシア
8位:フランス
9位:アラブ首長国連邦
10位:ドイツ
(参考:Ctripグループ調査より)
国慶節(こっけいせつ)とは
中国で春節と並んで大型連休となるのが国慶節の期間です。国慶節は中華人民共和国(中国)の建国記念日にあたるものです。国慶節連休は中国のゴールデンウィークともいわれ、10月1日の建国記念日に6日を加えた計7日間が連休期間となります。2020年においては中秋節が重なることから平年より1日多い8日間の連休となります。
続いてはシートリップ社の調査データからその国慶節での人気旅行先ランキングを調べてみました。
国慶節期間の旅行先ランキングTOP10(2019年)
1位:日本
2位:タイ
3位:イタリア
4位:ロシア
5位:アメリカ
6位:トルコ
7位:インドネシア
8位:ドイツ
9位:オーストラリア
10位:イギリス
(参考:Ctripグループ調査より)
なぜ旅行先として日本が人気なのか?
要因として考えらえるのは、まずはLCCによる航空運賃の下落です。現在アジアの多くの国から日本行きのLCCが就航していて、以前に比べてより手軽により安価に日本を訪れることが可能になっています。
2つ目の要因としてはビザの緩和です。日本政府は2009年に中国人富裕層に向けた個人旅行のビザ発給を開始しました。また、2015年にはさらにビザ発給条件を緩和し、2017年には中国人富裕層に対して何回でも出入国を許可する「数次ビザ」を発行することで中国人観光客が増え、さらにリピートにもつながったと考えられます。ちなみに中国以外の国でもこのビザ発給要件の緩和は行われています。
もう1つは上記2つも関連しますが、日本政府が「ビジット・ジャパン・キャンペーン」として、海外旅行者の受け入れ態勢の整備と海外へのプロモーション活動を強化したことも大きな要因と考えられます。エリアごとにニーズに応じた旅行商品を開発して、海外で広報する活動です。そして中国はアメリカ、韓国、台湾、香港など共に2003年当初から促進重点国・地域としてPR活動を行ってきました。
もちろん日本には独自の文化がありながら、便利で発達した大都市も混在し、外国人にとって大きな魅力となっていることは間違いないでしょう。
これらの複数の要因によって、中国人をはじめとする外国人にとって日本は非常に旅行先として選択しやすく、行ってみたい国になったと考えられます。
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