今回は「シニアが思う定年前にしておけばよかったこと」についてのマイスター60による調査報告をご紹介したいと思います。こちらは「再雇用制度で働く会社員の意識調査」に関する意識調査報告です。同調査は2019年11月7日~11日、定年を迎え、現在会社の「再雇用制度」を使って働いている全国の60~65歳の男性500名を対象にマイスター60がインターネットで実施したものです。

定年退職前にしておけばよかったことランキング
1位:資産運用 38.4%
2位:健康/体力増進 31.0%
3位:趣味づくり 23.6%
4位:資格の取得 23.0%
5位:外国語の勉強 18.6%
6位:人脈の構築 16.8%
7位:専門知識の取得 15.0%
8位:友人作り 13.0%
9位:家族とのコミュニケーン10.0%
10位:読書 7.2%
その他 : 1.4%
特に無い: 24.8%
「やっておけばよかったこと」の1位は資産運用
1位の「資産運用」は定年後のお金の不安をかかえる人が多いことを裏付ける結果となりました。資産運用は単に預貯金のみならず、株や投資信託または不動産投資などをして、長期的に運用することが考えられます。
もちろんリスクもありますが、この低金利時代に少しでも資産を増やしたいという人は多いのではないでしょうか。
特に今回の調査期間の少し前に老後2千万円の不足問題が大きな話題になったことで、老後の資金不安に拍車がかかった面もあると思います。
もちろんリスクもありますが、この低金利時代に少しでも資産を増やしたいという人は多いのではないでしょうか。
特に今回の調査期間の少し前に老後2千万円の不足問題が大きな話題になったことで、老後の資金不安に拍車がかかった面もあると思います。
2位の「健康/体力維持改善」は定年後の長い人生を過ごすにあたり、健康や体力の必要性を自覚していたものの、あまり取り組めていなかった人が多いという状況が見えます。
世界でトップクラスの日本人の平均寿命において、いかに健康寿命も同時に延ばすかは老後のQOLを大きく左右する重要な問題です。
世界でトップクラスの日本人の平均寿命において、いかに健康寿命も同時に延ばすかは老後のQOLを大きく左右する重要な問題です。
3位の「趣味づくり」は同じく定年後の人生での生きがいやモチベーションにも繋がってくるところです。
そして新しいことにチャレンジするには若いうちに始めたほうが精神的・肉体的ハードルが低く、またスキルも上げやすいといえます。
そして新しいことにチャレンジするには若いうちに始めたほうが精神的・肉体的ハードルが低く、またスキルも上げやすいといえます。
4位の「資格の取得」はシニアの転職、または再就職を考えた際、早くに資格を取っておけば有利に進められたと思っている人が多いことが推測できます。
家族とのコミュニケーションは後悔が少なかった
意外にも後悔している人の割合が低かったのが「家族とのコミュニケーション」です。これはどのように捉えるか難しいですが、一つは家族とコミュニケーションがしっかり出来ていたというケース、もう一つは家族とのコミュニケーションは定年後から十分にとりやすいという点から選ばれなかったという二つのケースが想像できます。
後悔ということでいうと、やはり定年前からやっておかなければ、60歳や65歳を過ぎてからでは間に合わないことが後悔につながりやすいといえるかもしれません。
後悔ということでいうと、やはり定年前からやっておかなければ、60歳や65歳を過ぎてからでは間に合わないことが後悔につながりやすいといえるかもしれません。
これからの人生について自身がある項目・ない項目
以下質問内容とその結果について独自にランキングいたしました。
Q.あなたはこれからの人生で「健康」「お金」「生きがい」「人間関係」などに自信がありますか。(単一回答方式:「とても自信がある」「どちらかというと自信がある」「自信がない」「全く自信がない」)
とても自信がある/どちらかというと自信がある (項目別順位)
1位「趣味・生きがい」7.0%
2位「健康」5.6%
3位「友人や人間関係」3.2%
4位「お金」2.6%
どちらかというと自信がない/全く自身がない (項目別順位)
1位「お金」46.0%
2位「友人や人間関係」30.2%
3位「健康」30.0%
4位「趣味・生きがい」19.4%
将来へのお金への不安が強い
上記の通り、これからの人生で「健康」「お金」「生きがい」「人間関係」などに自信があるかの質問について、自信がないという回答が最も多かったのが「お金」でした。46.0%が「どちらかというと自信がない」「全く自信がない」(13.4%)と答えてます。一方、最も自信があるという項目は「趣味・生きがい」でしたが、7.0と低い割合でした。
Q.あなたは現在、自身の専門スキルなどの学び舎勉強など自己研鑽に取り組んでいますか?( 単一回答方式)
1位:どちらかというと取り組んでいない 40.4%
2位:全く取り組んでいない 28.4%
3位:どちらかというと取り組んでいる 25.4%
4位:積極的に取り組んでいる 5.8%
7割が自己研鑽に取り組めていないと回答
そして自身の専門スキルや勉強などの自己研鑽に取り組んでいるかについては、68.8%が「全く取り組んでいない」「どちらかというと取り組んでいない」との答えでした。また「積極的に取り組んでいる」「どちらかというと取り組んでいる」は31.2%にとどまりました。
この結果からおよそ7割が自己研鑽に取り組めていない状況にあることがわかりました。定年後も自己研鑽に取り組む人は約3割ににとどまっています。
この結果からおよそ7割が自己研鑽に取り組めていない状況にあることがわかりました。定年後も自己研鑽に取り組む人は約3割ににとどまっています。
まとめ
これまで内容を振り返ってみますと、今回の調査結果は現在まだ定年までに時間を与えられている人間にとって、非常に示唆に富んだ内容となっています。
すべて納得のいく内容ですが、しかし現実としては、わかっていてもやはり切迫性のないものについては後回しになってしまいがちです。
このことについてはスティーブン・R・コヴィー氏の著書「7つの習慣」において、第3の習慣として“「重要度が高いが緊急性が低い」事象をいかに行うかが重要である”と述べています。このカテゴリー(事象)については、しっかり計画を立てて実行することが重要といえます。
このことについてはスティーブン・R・コヴィー氏の著書「7つの習慣」において、第3の習慣として“「重要度が高いが緊急性が低い」事象をいかに行うかが重要である”と述べています。このカテゴリー(事象)については、しっかり計画を立てて実行することが重要といえます。
最近は日本でもようやくワークライフバランスが真剣に叫ばれるようになっていて、社会の価値観も一昔前から比べ大きく変化してきています。
今回の調査結果の内容から、仕事一辺倒ではないワークライフバランス構築と、各個人が自分自身で将来への対策をしっかりと考えていかなければならないと感じました。
今回の調査結果の内容から、仕事一辺倒ではないワークライフバランス構築と、各個人が自分自身で将来への対策をしっかりと考えていかなければならないと感じました。
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