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日本の最低気温、最深積雪ランキング~最低気温記録は昭和以前に集中~

 

今シーズンは暖冬で雪が少ない

今年も非常に暖かい日が続き暖冬となっています。先般、気象庁が「1か月予報」を発表しましたが、2月~3月初めにかけて全国的に気温は平年より高くなるとのことです。一方で雪不足により、スキー場の営業開始が遅れるなど影響も出ています。それ以外にも水資源の不足や、暖冬による農産物への影響も懸念されるところです。

 

昨シーズンも暖冬で雪が少なかったのは温暖化の影響?

実は昨シーズンも暖冬で全国的に気温が平年より高い上に、雪も少なく、北陸西部から山陰にかけて過去にない少なさでした。また、広島や福岡などでは統計以来最も平均気温が高くなった場所もありました。これもやはり地球温暖化の影響なのか気になるところです。そこで今回は、気象庁の発表データから冬の気象に関するランキングをご紹介したいと思います。

まずは、最低気温についてのランキングです。観測史上最も最低気温が低かった場所とそれがいつごろに記録されたのか気象庁の発表データから見てみたい思います。

 

観測史上最も最低気温の低い地点ランキング

(各地点の観測史上1位の値から作成)

【順位:観測地点 (都道府県)観測値 起日】

1位:旭川  (北海道上川地方)-41.0°C  1902年1月25日 

2位:帯広   (北海道十勝地方)-38.2°C  1902年1月26日

3位:江丹別  (北海道上川地方)-38.1°C  1978年2月17日

4位:富士山  (静岡県)    -38.0°C  1981年2月27日

5位:歌登   (北海道宗谷地方)-37.9°C  1978年2月17日

6位:幌加内  (北海道上川地方)-37.6°C  1978年2月17日

7位:美深   (北海道上川地方)-37.0°C  1978年2月17日

8位:和寒   (北海道上川地方)-36.8°C  1985年1月25日

9位:下川   (北海道上川地方)-36.1°C  1978年2月17日

10位:中頓別  (北海道宗谷地方)-35.9°C  1985年1月24日

11位:占冠   (北海道上川地方)-35.8°C  2001年1月14日

11位:朱麹内  (北海道上川地方)-35.8°C  1990年1月28日

13位:名寄   (北海道上川地方)-35.7°C  1982年2月2日

13位:倶知安  (北海道後志地方)-35.7°C  1945年1月27日

15位:中川     (北海道上川地方)-35.6°C  1985年1月24日

16位:幌糠   (北海道留萌地方)-35.4°C  1985年1月25日

16位:佐呂間  (北海道網走地方)-35.4°C  1978年2月17日

18位:滝上   (北海道網走地方)-35.2°C  1978年2月17日

19位:士別   (北海道上川地方)-35.1°C  1985年1月25日

20位:音威子府 (北海道上川地方)-34.9°C  1982年2月5日

(参考:気象庁HP)

 

北海道上川地方での昭和以前の記録が多い

1位は北海道内陸部の旭川でしたが、最低気温のランキング地点は富士山を除けばすべて北海道内の記録となっています。

そして特筆すべき点としては、その大半が昭和以前の記録という点です。

平成以降は占冠=2001年、朱麹内=1990年(共にー35.8°C)の2地点のみです。逆に今回ご紹介していませんが、最高気温については上位20位までの記録のほとんどが平成以降の記録となっています。

この結果を見る限りでは、やはり長期的には温暖化の影響によるものと考えるべきでしょうか。

続いて、日中の最高気温の低さランキングです。

観測史上最も最高気温の低い地点ランキング

(各地点の観測史上1位の値から作成)

【順位:観測地点(都道府県)  観測値  起日】

1位:富士山  (静岡県)   -32.0°C  1936年1月31日 

2位:旭川   (北海道上川地方)-22.5°C  1909年1月12日

3位:和寒   (北海道上川地方)-21.5°C  1985年1月24日

4位:名寄   (北海道上川地方)-20.3°C  1977年1月21日

5位:士別   (北海道上川地方)-20.1°C  1985年1月25日

6位:富良野  (北海道上川地方)-19.8°C  1985年1月24日

7位:中川   (北海道上川地方)-19.4°C  1985年1月24日

8位:上富良野 (北海道上川地方)-18.9°C  1985年1月25日

9位:美深   (北海道上川地方)-18.7°C  1985年1月25日

10位:比布     (北海道上川地方)-18.5°C  1985年1月24日

11位:幌加内 (北海道上川地方)-18.3°C  1986年1月30日

12位:剣山    (徳島県)    -17.9°C  1984年2月7日

13位:音威子府(北海道上川地方)-17.5°C 1985年1月25日

14位:東川    (北海道上川地方)-17.4°C  1985年1月25日

15位:網走  (北海道網走地方)-17.0°C  1985年1月24日

16位:美瑛  (北海道上川地方)-16.9°C  1985年1月24日

17位:斜里     (北海道網走地方)-16.8°C  1978年2月17日

18位:浜鬼志別(北海道宗谷地方)-16.2°C  1979年1月12日

18位:帯広  (北海道十勝地方)-16.2°C 1902年1月25日

20位:下川     (北海道上川地方)-16.1°C 1985年1月26日

 (参考:気象庁HP)

 

富士山を除けば旭川が実質1位の地点

こちらのランキングに至ってはトップ20位まではすべて昭和以前の記録という状況です。そして富士山と徳島県の剣山以外はすべて北海道ですが、その大半が上川地方に集中しています。

上川地方は北海道の最北端ではありませんが、内陸部に位置しており、有名な市としては、旭川や富良野があります。そして旭川は最低気温地点で1位-41°C)、最高気温の最も低い地点でも2位(-22.5°C)(1位は富士山)という記録を持っていることになります。

しかし近年は都市化と温暖化の影響で中心部では-30°C以下まで下がることはなくなっているようです。

 

大雪の道

写真AC

最後に最も積雪の多かった地点のランキングです。 

 

観測史上、最深積雪ランキング

(各地点の観測史上1位の値から作成)

【順位:観測地点 (都道府県) 観測値 起日】

1位:伊吹山(滋賀県)1182cm  1927年2月14日 

2位:酸ケ湯(青森県)566cm    2013年2月26日

3位:守門    (新潟県)463cm   1981年2月9日

4位:肘折  (山形県)445cm   2018年2月13日

5位:津南  (新潟県)416cm   2006年2月5日

6位:十日町 (新潟県)391cm   1981年2月28日

7位:高田  (新潟県)377cm   1945年2月26日

8位:小出  (新潟県)363cm   1981年2月28日

9位:関山  (新潟県)362cm   1984年3月1日

10位:湯沢  (新潟県)358cm   2006年1月28日

11位:野沢温泉(長野県)353cm 1984年3月22日

12位:安塚   (新潟県)350cm   1984年3月8日

13位:大井沢  (山形県)348cm   2000年3月1日

14位:只見   (福島県)341cm 2013年2月25日

15位:桧枝岐  (福島県)339cm 2015年2月15日

16位:富士山  (静岡県)  338cm 1989年4月27日

17位:幌加内  (北海道)  324cm    2018年2月25日

18位:倶知安  (北海道)312cm 1970年3月25日

19位:朱麹内  (北海道)311cm 1982年3月10日

20位:能生   (新潟県)309cm 1985年1月30日

 (参考:気象庁HP)

 

伊吹山の降雪は今でも世界1位の観測記録

こちらは、新潟県がもっとも多いものの、他には東北地方から北海道までまんべんなく分布していて、最低気温の時の北海道上川地方ほどの一極集中はないようです。
そして記録された時期も昭和から平成まで幅広い期間にわたっています。


その中にあって1位の滋賀県伊吹山1927年(昭和2年)90年以上も前でありながら、1182㎝と断トツ1位の記録を誇っています。
ちなみにこの記録は日本国内のみならず、世界観測史上1位の記録になっているとのことです。
山岳地点ではありますが、豪雪地域のイメージがほとんどない滋賀県での記録ということで非常に興味深いデータとなっています。

 

温暖化の要因に対しては、それぞれの異なる主張があります。

 

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