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世界のビッグマック指数ランキング(2020年)

今回は2020年1月に英誌「エコノミスト」から発表された"ビッグマック指数”の最新ランキングをご紹介いたします。

 

 ビッグマック指数といっても、経済の話です。

ビッグマック

ビッグマック指数(BMI)とは?

各国のマクドナルドにて販売されている「ビッグマック」1個あたりの価格から、異なる2つの通貨において、購買力を比較するために用いられる経済指標です。

1986年にイギリスの経済誌「エコノミスト」によって考案され、毎年発表されています。

ここでの購買力とは通貨がどれほどの財やサービスを購入できるかということでその国の通貨の貨幣価値を表しています

 

そしてビッグマック指数の目的は、国ごとの物価を測る指標ではなく、2通貨間の購買力平価を測定するための指数として用いられております。

購買力平価(PPP)

購買力平価などと何やら難しい言葉が出てきましたので、ハンバーガーの価格をもとにしたわかりやすい説明がありましたので引用します。 

 

購買力平価説

例えばアメリカでは1ドルで買えるハンバーガーが日本では100円で買えるとするとき、1ドルと100円では同じものが買える(つまり1ドルと100円の購買力は等しい)ので、為替レートは1ドル=100円が妥当とする考え方です。

(引用:SMBC日興証券Websiteより)

 

つまり仮に現在の為替レートが1ドル=110円ならば、両国のハンバーガーの価格からすると円はドルに対して安い相場ということになり、将来的には円は100円に向かっていく(買われていく)とする予測が立てられます。

ということでビッグマック指数はこの説をもとに用いられています。 

 

 ビッグマック指数の算出法は?

ビッグマック指数(BMI)の算出方法は、世界で販売されているマクドナルドのビッグマックの価格(現地通貨)をアメリカの価格(USドル)と比較することで割り出します。

例えば日本のビッグマック指数は今回‐37.5%とされていますが、これは日本での販売価格(390円)をアメリカの販売価格(5.67ドル)で割り、その数値を更に為替ルートで割ることで出したものです。(1.0が基準となります。1ドル=110.04円で計算)

 390円(日本の価格)÷5.67ドル(米国の価格)÷110.04(為替レート)=0.625 

→日本のBMIは基準値に対して37.5%のマイナス

 

もう少しわかりやすい例(日本円)で出してみます。(為替レート:1ドル=110.04

  • アメリカのビッグマック価格:624円(5.67ドル)
  • 日本のビッグマック価格  :390円(3.54ドル)

 

同じサイズ、同じ品質のものは価格も同じになるとした場合、日本とアメリカの価格が同一になるためには、為替レートが1ドル=68.7円になっていく必要があります。これを現在の為替レート1ドル=110.04円で指数に変換すると-37.5%となります。

 

そしてこのビッグマック指数(BMI)がマイナスになっているということは、円の価値が過小評価(割安)になっているということができます。

購買力平価の考え方に基づくと、円の価値は今後上がっていくという予測になり、長期的に見ると円はドルに対して「買い」ということになります。

  

  世界のビッグマック指数(BMI)ランキング(2020年)

順位 国・地域名 価格(US㌦) BMI(%)
1位   スイス 6.71 18.4
2位   ノルウェー 5.97 5.32
3位   アメリカ 5.67 0
4位   スウェーデン 5.44 -3.98
5位   カナダ 5.18 -8.61
6位   イスラエル 4.91 -13.33
7位   ブラジル 4.8 -15.26
8位   ウルグアイ 4.78 -15.67
9位   ユーロ圏 4.58 -19.19
10位   デンマーク 4.46 -21.26
11位   オーストラリア 4.45 -21.5
12位   イギリス 4.41 -22.22
13位   シンガポール 4.38 -22.76
14位   ニュージーランド 4.29 -24.26
15位   レバノン 4.29 -24.28
16位   コスタリカ 4.12 -27.28
17位   アラブ首長国連邦 4.02 -29.18
18位   韓国 3.89 -31.35
19位   タイ 3.8 -33.01
20位   チェコ 3.76 -33.76
21位   バーレーン 3.71 -34.51
22位   クウェート 3.63 -36.06
23位   コロンビア 3.62 -36.16
24位   ペルー 3.58 -36.93
25位   カタール 3.57 -37.03
26位   日本 3.54 -37.49
27位   ニカラグア 3.54 -37.53
28位   ホンジュラス 3.53 -37.76
29位   サウジアラビア 3.47 -38.89
30位   チリ 3.42 -39.75
31位   パキスタン 3.36 -40.78
32位   クロアチア 3.29 -42.06
33位   グアテマラ 3.24 -42.78
34位   ヨルダン 3.24 -42.79
35位   スリランカ 3.2 -43.62
36位   中国 3.12 -44.93
37位   ハンガリー 3.01 -46.87
38位   オマーン 3 -47.1
39位   ポーランド 2.9 -48.9
40位   ベトナム 2.85 -49.77
41位   アルゼンチン 2.85 -49.79
42位   フィリピン 2.81 -50.49
43位   メキシコ 2.66 -53.15
44位   インド 2.65 -53.22
45位   エジプト 2.64 -53.35
46位   香港 2.64 -53.5
47位   モルドバ 2.58 -54.44
48位   インドネシア 2.41 -57.42
49位   台湾 2.41 -57.51
50位   ウクライナ 2.38 -58.1
51位   マレーシア 2.33 -58.88
52位   アゼルバイジャン 2.33 -58.94
53位   ルーマニア 2.21 -61.02
54位   トルコ 2.21 -61.04
55位   ロシア 2.2 -61.24
56位   南アフリカ 2.15 -62.01

 (出典:The Economist -Big Mac Index 2020年1月)1ドル=110.04円 

 

ビッグマック指数の問題点

この理論は世界中のビッグマックの品質がすべて同じと仮定することで成り立っています。

しかしながら実際には、国によって異なった量、サイズ、栄養価で提供されています。また、販売価格には消費税(付加価値税)が含まれているので、比較する際にはその分を引いて計算しないと意味を成しません。

また国によっては価格決定への影響としてライバル社との激しい価格競争があったりと国ごとによっても価格決定の背景は大きく異なるということが指摘されてます。

尚、エコノミスト誌はビッグマック指数のほかに、トール・ラテ指数など別の指数も発表していますが異なる結果が出されています。

 

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