Shoko-Ranking

ランキングを中心に経済・産業・社会・時事などの情報をまとめています

世界の銃所持率ランキング~進まないアメリカの銃規制~

 

アメリカの銃乱射事件と所有率 

1月26日アメリカ・ウイスコンシン州にあるビール会社で銃乱射事件が起き、従業員5人が死亡したとの報道がありました。

これまで何度も銃の乱射事件が起きていて、一部では銃規制の声も出ているアメリカですが、そもそも憲法で国民の銃の保有が保障されていることや、政権との強いパイプのある全米ライフル協会の強い反対などがあり、規制については一向に進む気配がなさそうに見えます。

そんな銃大国というイメージがあるアメリカですが、いったい民間人の銃の所有率は他の国と比べてどの程度の差があるのでしょうか?世界の銃所有率ランキングからみていきたいと思います。

 

 

銃弾

 民間の銃所有率が高い国ランキング

(順位:国名 100名あたり銃所有率)

1位:アメリカ  (120.5)

2位:イエメン  (52.8)

3位:セルビア  (39.1)

4位:カナダ   (34.7)

5位:レバノン  (31.9)

6位:オーストリア(30.0)

7位:スイス   (27.6)

8位:スウェーデン(23.1)

9位:パキスタン (22.3)

10位:ポルトガル (21.3)

参考:日本    (0.6)

 【出典:proCon.org(2018)】

 

 

アメリカの所有率の高さは断トツ

このランキングを見ると結果は一目瞭然です。やはりアメリカの銃所有率は圧倒的に世界ナンバー1となっています。2位のイエメンの50%越えも相当高い数値ですが、それでもアメリカの所有率の高さは別次元です。国民の人数以上の銃が国内に存在していることになります。間違いなく銃の数自体が多すぎると言えます。

次にこれまで起こった米国での銃の乱射事件について、特に被害の大きかった事件をワースト5位までを取り上げてみたいと思います。

米国の銃乱射事件ワースト5

 1位:2017年ラスベガス・ストリップ銃乱射件

場所:米ネバダ州ラスベガス
日時:2017年10月1日
犯人:スティーブン・パドック(64歳)
凶器:フルオートの軍事用自動小銃
死者:59名(犯人含む)
負傷者:546名

事件概要:ラスベガス・ストリップ広場で行われていた22000人超の人間が集まる音楽祭において、男がホテルの32階から群衆に向けて数百発~数千発の銃弾を乱射した。死者・負傷者数共に史上最悪の銃乱射事件。犯人は銃乱射後自殺。動機は不明のまま。

 

2位:オーランド銃乱射事件

場所:米フロリダ州オーランド
日時:2016年6月12日
犯人:オマル・サディーキ・マティーン(29歳)
凶器:ライフル・拳銃・爆発物(不発)
死者:50名(犯人含む)
負傷者:53名

事件概要:同性愛者の集まるナイトクラブでのパーティに男が乱入、320人ほどが集まる店内にて銃を乱射。犯人は人質をとって店内に立てこもるが、警察により射殺される。死亡後犯人の体に爆発物と思わしき機器も取り付けられていたことが判明した。

 

3位:バージニア工科大学銃乱射事件

場所:米バージニア州バージニア工科大学
日時:2007年4月16日
犯人:チェ・スンヒ(23歳)
凶器:拳銃2丁
死者:33名(犯人含む)
負傷者:23名

事件概要:大学生徒であった男が講義棟教室に乗り込み、鍵をかけたうえで、教員と生徒を無差別に射殺し、その後犯人自殺。

 

4位:サンディフック小学校銃乱射事件

場所:米コネチカット州サンディフック小学校
日時:2012年12月14日
犯人:アダム・ランザ(20歳)
凶器:自動小銃2丁
死者:28名(犯人含む)
負傷者:1名

事件概要:男が自宅で母親を射殺後、小学校の校舎に乱入し無差別に銃乱射。26名を射殺後犯人も自殺。

 

5位:サザーランドスプリングス教会銃乱射事件

場所:米テキサス州サザーランド・スプリングス
日時:2017年11月5日
犯人:デビン・パトリック・ケリー(26歳)
凶器:ライフル
死者:27名(犯人含む)
負傷者:20名

事件概要:礼拝中の朝の教会に男が侵入し、無差別乱射行う。反撃した住民との銃撃戦後逃走するも車内で犯人死亡。

 

テキサス州における対策

米国内で上記のような凶悪な銃犯罪が続いてきた中で、その後も2019年8月にテキサス州のエルパソ市で22人が犠牲となった銃乱射事件が発生しました。更にその数日後に、同じくテキサス州のオデッサ市近郊で再び銃乱射事件が発生し、7人の犠牲者がでました。

しかしながら、驚くべきことにこの2度目の乱射事件の数時間後にテキサス州は銃規制とは真逆の「銃の規制緩和」を実施しました。すでに州議会を通過していた法律とはいえ、事件直後に施行ということは驚きです。

アメリカは州によってそれぞれ法律が存在しますので、実は銃の規制においてもそれぞれ州によるスタンスの違いもあります。例えば東海岸やカリフォルニアなどは銃に対して比較的厳しい立場をとっています。

しかしながら、国の憲法で銃の所持を保障されているということもあり、やはり米国内での基本的な考え方としては「身を守るためには銃が必要」という考えになります。

 

 日本とは真逆の発想に

上述したテキサス州での新たな州法は、

「学校の駐車場において、銃並びに弾薬を保持した車両の駐車を禁じてはならない
「賃貸アパートの家主は、借主が銃ならびに弾薬を持ち込むことを禁じてはならない
「教会等の礼拝中における銃の携行を禁じてはならない

まさに、我々日本人的な考え方とは真逆の発想です。しかしながら、当事者側の考え方としてはこれだけ巷に銃があふれていて、銃の犯罪に巻き込まれる危険が高いのであれば、自分の身は自分で守るしかないとの論理から武装がますます正当化されていくという論理です。この理論に従うと銃の所有率は更にあがることがあっても下がることありません。傍目から見るとまさに負のスパイラルに陥っていると言えなくもありません。

 

銃の所持と殺人率の関連についての研究

2013年9月に米国医師会雑誌にて発表された研究報告では、銃の所持と殺人の間には、確実な統計的関連性があるとする研究結果が出されました。それによると、30年間、全米50州を対象にした調査で、銃の所持率が1%上がるごとに、殺人率が0.9%上がるとされています。

また、非営利団体バイオレンス・ポリシー・センターによると2012年のアメリカおける銃がらみの事件では、正当防衛が259件だったのに対して、殺人は32倍の8342件となっていて(自殺や誤射除く)、個人が保有する銃が正当防衛のために使用されることはめったにないとする調査結果を発表しています。

 

日本の銃所持率は最下位

翻って日本の銃所有率は最低の100人あたり0.6丁です。日本では銃規制が厳しく一般市民が銃を所有することは困難です。海外での銃による乱射事件を目の当たりにするたびに、日本の安全性の高さにありがたさを感じます。

 

 

 

 

www.shoko-ranking.com