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パンデミック発生時に最も安全な国ランキング、20世紀のパンデミック

はじめに

新型コロナウイルス感染がヨーロッパを中心にパンデミックの様相を呈しています。
日本と違って地続きのヨーロッパでは、隣国への感染がすぐに広がってしまうという事が改めて浮き彫りになりました

今回はパンデミックについてのランキングをご紹介いたします。

世界 パンデミックイメージ

 

 

ニュージーランドのオタゴ大学の公衆衛生医ニック・ウィルソン氏がパンデミックからの避難エリアとして優れた島国のランキングを発表しました。2019年10月の内容です。

www.thesun.co.uk

パンデミック発生時に感染を防ぎ社会の文明を再建できる場所は?

 今回ご紹介する研究は、その趣旨として、今後人類がその存続を危ぶまれるほどの危険なパンデミックが発生した際に、感染拡大を防ぎつつ社会の文明を再建できる場所はどこの国なのかという観点で他国と陸地や橋で国境が接しておらず一定以上の人口(25万人以上)を有し国連に加盟を認められた主権国家を考慮の対象としています。

また、゛人口分布における特徴”、"パンデミック発生時の地理的な安全性”、゛天然資源の利用可能性”、゛国の政治的・社会的特徴”についても考慮し、最低が0、最高が1のスコアで採点を行っています。

今回の研究結果でパンデミック時に安全な上位20カ国を地図で示したのが、以下のイラストです。

 

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パンデミック発生時に最も安全な国(島国)ランキングTOP20

1位:オーストラリア

2位:ニュージーランド

3位:アイスランド

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4位:マルタ

5位:日本

6位:カーボベルデ

7位:バハマ

8位:トリニダード・トバゴ

9位:バルバドス

10位:マダガスカル

11位:キューバ

12位:モーリシャス

13位:フィジー

14位:モルディブ

15位:スリランカ

16位:コモロ

17位:ソロモン諸島

18位:ジャマイカ

19位:フィリピン

20位:バヌアツ

 

1位はオーストラリア、日本は5位

 結果はオーストラリアがスコア:0.71でトップ(1が最高点)、2位がニュージーランドでスコア:0.68と続き、3位がアイスランドで(スコア:0.64)となっております。

上位3カ国は他の国々より特に安全で効果的な避難所として機能し、パンデミック後の文明再建に有利だとされています。

他の島国はスコアが0.5を下回る結果となり、4位がマルタ(スコア:0.47)、5位が日本(スコア:0.46)と続いています。残念ながら、英国はリストを作成していないとのことでランキングに含まれておりません。また台湾は対象国の条件である国連加盟国ではないため入っていないようです。

 

一定以上の人口で技術力と経済力があり、自給自足可能な国に高評価

ウィルソン氏は「バイオテクノロジーの発見により、遺伝子組み換えによるパンデミックが種の生存を脅かす可能性がある」とし、「病原菌の感染者は地上国境は簡単に超えてしまうが、閉鎖された自給自足の島はパンデミックの後、生き延びることが可能なだけの技術を有した人口を維持することができる」と説明しています。

その一方で、小さすぎる島は外部から孤立しているものの、多様な技術専門家を保有しておらず、現代の文明を再構築するには向いていないとのことで、今回の研究では人口の少ない島国は技術者の不足から除いており、独立した主権国家で人口25万人以上の国連加盟国を対象にしたとのことです。

また「それほど驚くことではないが、GDPや食料・エネルギーの自給率が高く、他の国から遠く離れた場所にある国ほどいい結果であった」とウィルソン氏は述べています。

なお、日本のスコアが0.5を下回り、伸びなかった理由としては、ロシアなどユーラシア大陸の国々と比較的近接している点や、島国の中では広大な国土を有している一方でエネルギーの自給率が低い点などが挙げられるとのことです。

 

 20世紀に起きた3つのパンデミック

 パンデミックと推測される流行の記録は古くからありますが、科学的に証明されているのは、1900年頃(20世紀)からです。よって、検証可能となった20世紀以降のパンデミックについて、3回のパンデミック(いずれもインフルエンザ)を取り上げたいと思います。(ソ連かぜを含め4回とする説もあり)

1:スペインかぜ(スペインインフルエンザ)

発生:1918~19年(第一次世界大戦中)

発生場所:米国(諸説あり)

ウイルス:A型(当時はウイルスの存在が知られてなかった)

インフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI):5(最上位ランク)

感染者数:5億人以上(当時の世界人口の1/3以上)

死亡者数:数千万人(概ね2千万人~5千万人)致死率2.5%と推計

日本の状況:罹患者2300万人と死者38万人(諸説あり)

2:アジアかぜ(アジアインフルエンザ)

発生:1957~58年

発生場所:中国南西部

ウイルス:AH2N2型

インフルエンザパンデミック重度指数(PSI):2

感染者数:不明(50歳以上に免疫あり)

死亡者数: 200万人以上

日本の状況:罹患者300万人と死者5700人

3:香港かぜ(香港インフルエンザ)

発生:1968~69年

発生場所:香港(中国雲南省起源)

ウイルス:H3N2型

インフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI):2

感染者数:香港のみで50万人

死亡者数: 56000人以上

日本の状況:アウトブレイクの記録なし

 参考:ソ連かぜ(ソ連インフルエンザ)

発生:1977~78年

発生場所:中国北西部(研究所からの流出説が濃厚)

ウイルス:H1N1型(1950年代流行のイタリアかぜと同一)

インフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI):指定なし

感染者数:不明

死亡者数:不明(抗体のある大人の発症は少なかった)

日本の状況:アウトブレイクの記録なし

 

余談ですが、インフルエンザの名称と発生場所が一致していないケースがあり、気になったので調べてみたところ、つけられる名称は最初にウイルスが発見された場所であり、発生場所とは異なるケースが多いことがわかりました。

インフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)のカテゴリー分けは以下の通りになります。

 インフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)カテゴリー一覧

カテゴリー 致命率
1 0.1%以下 季節性インフルエンザ、豚インフルエンザ
2 0.1~0.5% アジアかぜ、香港かぜ
3 0.5%~1%
4 1.0%~2.0%
5 2.0%以上

スペインかぜ

(出典:wikipedia「インフルエンザ」)

 

新型コロナウイルスの致死率は高い

WHOのこれまでの発表では、新型コロナウイルスの致死率は2%程度とのことでした。国によって医療体制などに差があるため一概に言えないとは思います。しかし、過去のインフルエンザの事例と比較した際、この2%程度が事実であれば、これはかなり高い率であると言えるかも知れません。