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世界のインターネット自由度ランキング~ワーストは中国~

今回は世界のインターネット自由度ランキングをご紹介いたします。

 

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国際NGO団体によるインターネット自由度調査

アメリカに本部を置く、国際NGOのフリーダム・ハウス(Freedom House)が毎年発表しているインターネット上の自由度に関する報告書の最新版「Freedom on the Net 2019」から、世界のインターネット上の自由度のランキングをご紹介します。

フリーダムハウスはインターネット及びデジタルメディアにおける言論・表現の自由度を、21の質問項目と100以上の詳細質問を「アクセス規制」・「コンテンツ規制」・「ユーザー権利の侵害」の3分野の観点から設定・調査したものをスコア化し、最高得点を100点(スコアが大きいほどインターネット自由度が高い)として評価しています。

「アクセス規制」:25P満点

  • アクセス規制面でのインターネット自由度
  • 政府・事業主による意図的な技術的なアクセス障壁、法的規制・統制、経済的・インフラ的アクセス障壁などを含む

「コンテンツ規制」:35P満点

  • コンテンツ規制面でのインターネット自由度
  • コンテンツの検閲・フィルタリング・自主規制・操作、オンラインニュースメディアの多様性、政治・社会活動におけるデジタルメディアの活用度などを含む

「ユーザー権利侵害」:40P満点

  •  利用者の権利面でのインターネット自由度
  • インターネット利用におけるユーザーへの法的保護、ユーザーのプライバシー、インターネットでの活動に対する嫌がらせや物理的攻撃、投獄などを含む

 

インターネットの自由度ランキング (2019年版)

順位 国名 点数
1 アイスランド 95
2 エストニア 94
3 カナダ 87
4 ドイツ 80
5 オーストラリア 77
5 米国 77
5 イギリス 77
8 フランス 76
8 アルメニア 76
10 ジョージア(グルジア) 75
10 イタリア 75
12 日本 73
13 南アフリカ 72
13 ハンガリー 72
13 アルゼンチン 72
16 ケニア 68
17 コロンビア 67
18 フィリピン 66
19 韓国 64
19 ブラジル 64
19 チュニジア 64
19 アンゴラ 64
19 ナイジェリア 64
24 エクアドル 61
24 キルギス 61
26 メキシコ 60
27 ザンビア 58
28 マラウイ 57
28 マレーシア 57
30 ウガンダ 56
30 ウクライナ 56
30 シンガポール 56
33 インド 55
34 モロッコ 54
35 レバノン 52
36 インドネシア 51
37 スリランカ 49
37 リビア 49
39 ガンビア 48
40 ヨルダン 47
41 バングラデシュ 44
42 カンボジア 43
43 ジンバブエ 42
44 ルワンダ 41
45 アゼルバイジャン 39
46 トルコ 37
47 ミャンマー 36
48 ベラルーシ 35
48 タイ 35
50 カザフスタン 32
51 ロシア 31
52 ベネズエラ 30
53 バーレーン 29
54 エチオピア 28
54 アラブ首長国連邦 28
56 エジプト 26
56 ウズベキスタン 26
56 パキスタン 26
59 サウジアラビア 25
59 スーダン 25
61 ベトナム 24
62 キューバ 22
63 シリア 17
64 イラン 15
65 中国 10

(参考:「Freedom on the Net 2019」より) 

 

日本のインターネット自由度は12位。アジア圏では最も高い

日本のインターネットの自由度は世界65カ国中12位という結果でした。地域別でアジア地域では最も自由度が高い評価です。(オセアニア地方含む順位ではオーストラリアが日本より高い)

項目別点数はアクセス規制21点/25、コンテンツ規制28点/35、ユーザー権利侵害24点/40となっています。3分野の中では「ユーザー権利侵害」について、やや厳しい評価となっております。

 

地図で見るインターネット利用人口と自由度分類

 各国のインターネット利用人口と自由度を世界地図で色付で示したものです。

(1つの六角形あたり100万人、緑色=自由、黄色=やや自由、紫色=不自由)

ネットの自由度

(引用:「Freedom on the Net 2019」より) 

上記の地図からは、欧米など西側で自由国の割合が高く、ロシア、中東、アジア圏など東側で不自由国の割合が高いことがわかります。

 

自由度ワーストは中国!

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今回、調査対象65カ国の中で最低評価となったのは中国です。中国は4年連続のワーストとなっています。(北朝鮮は調査対象に含まれていません)
さらに中国では、ネット上の検閲や監視が19年においては、これまでになく強くなっているとのことです。

そして、昨年末からの新型コロナウイルス騒動以降、中国当局の検閲は一層厳しくなっており、新型コロナに関連する批判的な投稿、政府の見解に沿わない投稿はことごとく削除されている状況です。

 

新型肺炎を武漢で真っ先に告発した医師の悲運

以下は東洋経済オンラインの記事からです。当時まだ認識されていなかった新型コロナにかかわる情報を中国国内でいち早く告発した李医師に関する内容です。

1カ月前の12月30日17時48分頃、李医師は約150人が参加するグループチャットにおいて「華南海鮮市場で7名がSARS(重症急性呼吸器症候群)に罹り、我々の病院の救急科に隔離されている」という情報を発信した。

同日、武漢市衛生健康委員会は『原因不明の肺炎に対する適切な治療についての緊急通知』をネット上に発表し、その中で厳格な情報報告を行うことを要求した。さらに「いかなる機関及び個人も、許可を得ずみだりに治療情報を外部に発信してはならない」と強調した。

李医師が微信(ウィーチャット)のグループにおいて行った注意喚起のスクリーンショットを、グループに参加していた1人がインターネット上に投稿した。この時、最も重要な情報である李医師の名前と職業を隠さずに投稿したのだ。

これによりそのスクリーンショットを目にした人物が李医師を見つけ出し、彼はすぐに病院の監察科による事情聴取を受け、1月3日には管轄区域の派出所に出向き“違法問題”に対する「訓戒書」に署名をした。(引用:東洋経済ONLINE2/7より)

その後、8名の人物がこれらの情報について武漢警察からデマを流布したと報告をされ調査を受けることとなりました。

この告発を行った李医師はその後診察の過程で自らも新型コロナウイルスに感染し、残念ながら2月7日に亡くなってしまいました。 

また、ここにきて中国政府が公表の感染者数、死亡者数にも疑いが出てきています。
春節前の1月下旬には、すでに武漢市内の医療従事者から、インターネットを通じて政府の公表数に異議を唱える内部告発ともいえる投稿が行われていたようです。しかし、すぐに当局によって削除されております。

そして、米ブルームバーグ通信は4月1日、米情報機関が中国での新型コロナウイルス感染の死者数と感染者数について、中国政府が実数よりも少ない虚偽の数字を公表しているとする機密報告書を米政府に提出したと伝えています。

事実、中国政府はこれまでも感染者数に関し、無症状の感染者を算入してこなかったことが発覚し、1日になってから無症状者数を公表し始めています。

まとめ

インターネットの自由度についてのランキングを紹介しましたが、当然ながらインターネットにも多くのデメリットが存在します。

信ぴょう性のない情報やデマ、公序良俗に反する情報の氾濫、匿名性を悪用した誹謗中傷、個人情報の流出

このようなデメリットもある以上、インターネット自由度上位に位置することが無条件て素晴らしいとは言えない面もあります。(必要な対策することで自由度は下がってしまう)

そして、これらインターネットのデメリットに対して、政治的な理由だけでなく、宗教上の理由や教育文化面から規制をかける国も実際に多く存在しています。(主にアジア、中東エリアに多く存在)

しかし、今回の新型ウイルス感染など、グローバルな情報共有が必要となる際に、発信元となる国の過剰な情報統制によって、必要かつ有用な情報が抹消されてしまうことのリスクも改めて浮き彫りになりました。

 大変難しいことかもしれませんが、今後グローバルな対策が必要な問題について、透明性の高い情報共有を可能とする国際的な枠組み作りが望まれるところです。

 

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