日本人の読書習慣は世界の中では多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか?
そこで今回は、調査会社GfK社が世界17カ国を対象に調査した「読書頻度」のランキングです。
まず最初に、国別の本の出版数をみていきたいと思います。
世界の本の出版数(1年間の新刊発行数)
国名 | 新刊数 | 100万人あたりの新刊数 |
---|---|---|
中 国 | 47万0000 | 335 |
米 国 | 33万8986 | 1,043 |
イギリス | 17万3000 | 2,710 |
ブラジル | 8万8685 | 435 |
日 本 | 7万6445 | 603 |
韓 国 | 4万5213 | 909 |
サウジアラビア | 2万2867 | 765 |
デンマーク | 1万3170 | 2,326 |
タイ | 1万1334 | 168 |
アイスランド | 885 | 2,628 |
ケニア | 491 | 11 |
(国際出版連合(IPA)より2015年のデータを元に作成)
主要国での新刊の数は、中国とアメリカが群を抜いて多い結果でした。
しかし人口あたりの新刊数ではイギリスがトップで次にアイスランドが続いています。
イギリスの人口あたり新刊数は実に日本の4倍という状況となっていて、紙媒体での読書習慣が根付いていることを伺わせる結果となっています。
デジタル技術で多様化。「聴く本」が急成長
現在はデジタル技術によって本の形が多様化しました。電子書籍の人気が高まっていますが、イギリスのように紙媒体の本への愛着も依然として根強いです。
米国出版社協会の発表では、2018年の売国での電子書籍の売り上げは2017年より減少する一方で、紙のハードカバーやペーパーブックは売り上げを伸ばしました。
また、米国市場で本急成長を遂げているのが、本の内容を耳で聴く「オーディオブック」です。
18年の米国での売り上げは17年と比べて37.1%増加し、出版社の収入は約500億円にあがりました。
日本においては18年、電子書籍が売り上げを伸ばす一方で、紙媒体の本の売り上げは減少しました。
つぎに国別の読書頻度ランキングをみていきたいと思います。
国別読書頻度ランキング
本を「毎日読む又はほぼ毎日読む」人の割合の上位順にランキング
順位 | 国 名 | 毎日orほぼ毎日 | 週1日1以上 | 月1日以上 |
---|---|---|---|---|
1 | 中 国 | 36% | 34% | 16% |
2 | イギリス | 32% | 24% | 16% |
3 | スペイン | 32% | 25% | 16% |
4 | イタリア | 30% | 26% | 19% |
5 | 米 国 | 30% | 25% | 16% |
6 | ロシア | 29% | 30% | 16% |
7 | カナダ | 29% | 22% | 16% |
8 | フランス | 27% | 21% | 19% |
9 | アルゼンチン | 26% | 27% | 20% |
10 | ブラジル | 26% | 27% | 18% |
11 | ドイツ | 25% | 25% | 18% |
12 | オーストラリア | 23% | 19% | 20% |
13 | メキシコ | 22% | 30% | 24% |
14 | オランダ | 23% | 19% | 20% |
15 | 日 本 | 20% | 24% | 16% |
16 | ベルギー | 19% | 18% | 20% |
17 | 韓 国 | 13% | 24% | 22% |
- | 全 体 | 30% | 29% | 17% |
(参考:調査会社GfK資料(2017年)より)
日本人の読書頻度は実は低い
今回の調査で、日本人は、本を「毎日読む又はほぼ毎日読む」という人の割合が、17カ国中で15位という非常に低い結果となりました。読書頻度の高い国としては中国、イギリス、スペインとなりました。
トップの中国は、本を「毎日又はほぼ毎日」と「週1日以上」を合わせた割合が70%に達しています。
次にご紹介するのは、ハイブリッド型総合書店「honto」が、月に1冊以上本を読むと回答した全国20歳~49歳の男女300名を対象に、1日あたりの読書時間をインターネットでリサーチした結果をご紹介します。
1日当たりの読書時間(性別・年代別)
「ハイブリッド型総合書店honto調べ(2014年12月)」
読書頻度が他国に比べて低い日本ですが、本を読むと答えた人の1日の読書時間は、男女ともに30分前後であるということがわかりました。
性別では男性が少し多いものの、大きな差はありませんでした。また年代別では40代の男女の読書時間が他の年代に比べて少し短い結果となっています。
好きな本のジャンルは?
好きな本のジャンルについて、株式会社ヤマハミュージックジャパンがヤマハミュージックメンバーズWebサイトで実施したアンケート調査をご紹介いたします。実施期間:2018年9月4~30日で有効回答数:868件(男性:577名、女性:291名)の調査結果です。
好きな本のジャンル
「ヤマハミュージックジャパンがヤマハミュージックメンバーズ調べ」
アンケート調査の結果、総合トップ5は1位「歴史・時代」2位「ノンフィクション」3位「ミステリー」、4位「自己啓発」、5位「その他」という順でした。
男女別でみると、男性の人気ジャンルは、総合順位同様に1位「歴史・時代」2位「ノンフィクション」3位「ミステリー」となっています。
女性の人気ジャンルは、1位「エッセイ」、2位「ミステリー」、3位「ノンフィクション」となっていて、エッセイの人気が非常に高い結果となりました。
まとめ
普段はなかなか、読書に時間をとれない人も多いと思います。
しかし、昨今のように休日も外出自粛をせざるを得ず、家で多くの時間を過ごさなけばならない状況は、読書のいい機会になるかもしれません。
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