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囲碁七大タイトル獲得数ランキング

2019年10月8日、囲碁の第44期名人戦は、挑戦者の芝野虎丸八段(当時19)が張栩(ちょうう)名人に4勝1敗で勝利し、史上初めて10代で名人位を獲得しました。 また囲碁七大タイトルとしても、19歳11カ月での獲得となり、これまでの最年少記録20歳4か月(井山裕太/2009年・名人位)を塗り替える史上最年少記録の更新となりました。
更にプロ入りから5年1カ月での七大タイトル獲得も史上最速の快挙となりました。

 

< 囲碁七大タイトルの年少獲得記録>

-

棋士名

年度

タイトル

獲得年齢

1

芝野虎丸

2019

名人

19歳11ヵ月

2

井山裕太

2009

名人

20歳4ヵ月

3

趙治勲

1976

王座

20歳5ヵ月

4

許家元

2018

碁聖

20歳7ヵ月

5

伊田篤史

2015

十段

21歳1ヵ月

囲碁盤と駒

囲碁の七大タイトルと序列

囲碁は将棋と並んで古くから人々に親しまれてきたゲームです。

プレイヤーは棋士と呼ばれ、段位によって格付けされ、「棋聖」や「名人」などの称号を持つ棋士は最大級の栄誉を手に入れることが出来ます。

そのタイトルは主に大手新聞社などがスポンサーとなって、複数存在しています。

中でも特に以下の7つのタイトルは「七大タイトル」と呼ばれ他の公式戦とは一線を画しています。

 

囲碁の七大タイトル(数字は序列)

  1. 棋聖(きせい)
  2. 名人(めいじん)

  3. 本因坊(ほんいんぼう)

  4. 王座(おうざ)

  5. 天元(てんげん)

  6. 碁聖(ごせい)

  7. 十段(じゅうだん)

 

<囲碁七大タイトル一覧> 
棋戦名 優勝賞金 創設年 持ち時間 挑戦手合
棋聖戦 4500万円 1976年 8時間(2日制) 七番
名人戦 3000万円 1976年(1962年*) 8時間(2日制) 七番
本因坊戦 2800万円 1940年 8時間(2日制) 七番
王座戦 1400万円 1952年 3時間 五番
天元戦 1300万円 1975年 3時間 五番
碁聖戦  800万円 1975年 4時間 五番
十段戦 700万円 1961年 3時間 五番

 *名人戦は1962年に読売新聞主催で創設。その後1976年に朝日新聞主催に替わる。

 

序列を決めているのは各棋戦の賞金額です。よって賞金額トップの棋聖戦が序列1位となっています。棋士の主な収入は各棋戦の対局料と賞金によって成り立っているので、やはりそうなるのでしょう。

また棋士の昇段規定の一つに”賞金ランキングによる昇段”というものがあります。
ただしこれは日本棋院の公式サイトで公開される「年間賞金ランキング」とはまた別で、七大タイトル限定の”賞金ランキング”になってます。

そしてこれは賞金と対局料の合算となりますので、例えばトーナメント方式では勝ち進むことで対局料を積み重ねることが出来ます。


よって棋士にとっては、七大タイトルで上位に勝ち上がることが非常に大事になってきます。 

 

更に特別視される三大タイトル

七大タイトルの中でも序列1位から3位までの棋聖名人本因坊「三大タイトル」とも呼ばれ、更に特別視されています。

「棋聖」:棋戦の優勝賞金4500万円。もともと名人戦を主催していた読売新聞社が、契約金問題で日本棋院に名人戦を打ち切られ、その後和解した際に序列一位の最高棋士決定戦として創設された棋戦です。

因みに囲碁における「棋聖」の称号は、江戸時代に特に卓越した実績を残した本因坊道策(前聖)本因坊丈和(後聖)、本因坊秀策などにつけられた特別な尊称です。

 

「名人」:棋戦の優勝賞金3000万円。タイトル戦としては1962年創設ですが、「名人」の称号は古く(将棋にも名人はありますが、囲碁のほうが古い)、江戸時代から昭和までは「名人は天下に1人」とされ、その時代に最も強い棋士が名人を名乗れると定められていました。初代名人は一世本因坊算砂です。

 

「本因坊:棋戦の優勝賞金2800万円。七大タイトル戦の中で最も歴史が古い上に、「本因坊家」は江戸時代から続く囲碁四家元の筆頭格であり、初代の本因坊算砂を始祖として、道策、丈和・秀和・秀策・秀栄など後世まで名を残す多くの名人や傑出した棋士を輩出させた名跡でもあります。

 

それでは囲碁の七大タイトルを最も多く獲得しているのは誰なのか、獲得数ランキングのご紹介です。  

囲碁七大タイトル獲得数ランキング Top15

順位 棋士名(*は現役)敬称略 生年月日 獲得数
1 井山裕太* 1989年5月24日 45
2 趙治勲* 1956年6月20日 42
3 小林光一* 1952年9月10日 35
4 加藤正夫 1947年3月15日 31
5 張栩* 1980年1月20日 24
6 本因坊栄寿 1920年2月15日 21
6 林海峰* 1942年5月6日 21
8 大竹英雄* 1942年5月12日 17
9 藤沢秀行 1925年6月14日 14
9 山下敬吾* 1978年9月6日 14
11 本因坊秀格 1915年9月21日 12
11 依田紀基* 1966年2月11日 12
13 王立誠* 1958年11月7日 11
14 武宮正樹* 1951年1月1日 10
15 本因坊秀芳* 1948年8月15日 9

 (Wikipedia参照、データは2020年棋聖戦終了時)

 

趙治勲を抜き、井山裕太が通算1位へ

まずは歴代獲得順位トップ3について解説していきます。

第3位は小林光一名誉三冠で七大タイトルの獲得回数は通算35期です。2位の趙治勲とは同じ木谷實門下の兄弟弟子の関係ですが、世代も近い両者は長年囲碁界きってのライバル関係にありました。

実績も棋聖8連覇名人7連覇碁聖6連覇という華やかしい記録を打ち立てました。

名誉棋聖、名誉名人、名誉碁聖の3つの名誉称号を所持しています。

 

第2位の趙治勲名誉名人通算42期獲得です。井山裕太に抜かれるまでは、通算1位記録を保持しておりました。

趙治勲は6歳で韓国から日本に渡り木谷門下に入門しました。
27歳で史上初の大三冠(棋聖・名人・本因坊)を果たし、翌年には史上初の名誉名人の資格を獲得しました。31歳で史上初のグランドスラム(七冠)を達成するなどの活躍を果たしました。

また本因坊では前人未到の10連覇を達成し、三大タイトル獲得も29期とこちらも歴代1位記録を保持しています。 

 

そして七大タイトル獲得1位は通算45期井山裕太現棋聖です。2019年、これまで長らく1位であった趙治勲の記録を追い抜き、通算獲得数の首位に立ちました。
圧倒的な実力でこれまで2度の7冠達成を果たし、2017年七大タイトルを獲得し、史上初の年間グランドスラムを達成しました。

その圧倒的な強さから将棋界の羽生善治と並び称されるほどの実力者です。

2018年には、囲碁界初の国民栄誉賞を受賞したことで一躍時の人となりました。棋聖戦は小林光一に並ぶ8連覇中で現在もタイトル保持しております。

 

 

中国・韓国と日本の差は 

長らく国内では敵なしの状態だった井山裕太でしたが、それでも2017年1月当時の世界のレーティング(強さを表す数値)の順位は世界10位でした。

国内棋戦のスケジュールが過密で、世界に挑戦する時間を確保するのは非常に難しい状況で、出場機会もほとんどありませんでした。

そんな中、2018年には念願の国際棋戦の一つLG杯世界棋王戦にスケジュールの合間を縫って挑戦するも決勝で惜しくも中国の謝爾豪(しゃ じごう)に敗退しました。

また同年3月にはワールド碁チャンピオンシップに出場し、見事決勝進出を果たすものの、韓国の最強棋士朴 廷桓(パク・ジョンファン)に敗れました。 

かつては、世界のトップを走っていた日本ですが、今は中国・韓国の選手層が非常に厚く、日本勢は国際棋戦で苦しい戦いが続いております。

現在レーティングの世界ランキング30位内にいる国別の棋士数は、

中国=20名、韓=7名、日本=3名

となっており、日本は中国・韓国勢に大きく水をあけられている状況です。(2020年5月16日時点)

因みに日本勢の順位は26位芝野 虎丸を最高に、27位井山 裕太、28位一力 遼となっています。 

中国・韓国に水をあけられてしまっている原因は、一つは裾の広さの違いです。

競技人口は中国2000万人、韓国900万人に対して日本の競技人口は年々減少しており、現在200万人と言われています。また中国では囲碁棋士の社会的地位が高く、日本でいえばプロ野球選手のような存在であると言われています。

 

 

日本期待の若手”芝野虎丸”名人

現在、日本で最も期待されている若手と言えば初の10代名人”となった芝野虎丸名人(20)がまず挙げられます。

2018年4月には、日中竜星戦で中国が誇る最強棋士の柯潔(か けつ)を見事に破って優勝する快挙を果たしました。

更に2019年11月には、国内最強棋士の井山裕太を破り二つ目のタイトル「王座」を奪取し、20歳0か月で最年少二冠となりました。

芝野虎丸名人は両親が好きだった「ヒカルの碁」のゲームをきっかけに囲碁を覚えたそうです。その後インターネット碁での対局を非常に多く取り入れるなどして頭角を現し、更に現在はAIを駆使しその実力を磨いています。

現在、3年連続で国内最多勝に輝いていて、将棋界の藤井総太に対し、囲碁界の芝野虎丸と言われる囲碁界期待の若手実力者となっています。

日本の囲碁界復活のためには、国内での競技人口の底上げが必要です。

そのためには若いプレーヤーが増えなくてはなりません。多くの子供が憧れるようなスター棋士の出現が待たれます。

 

 まとめ

この記事をざっくり要約すると
    1. 囲碁の棋戦は七大タイトルが重要。序列は賞金額で決まっている。
    2. 中でも棋聖、名人、本因坊の三大タイトルは特別視される。
    3. 七大タイトルの最多獲得は井山裕太の45回、2位趙治勲、3位小林光一
    4. 中国・韓国勢の厚い層に阻まれる日本勢
    5. 期待の若手棋士”芝野虎丸”

 

「ヒカルの碁」もし藤原佐為(本因坊秀策)が現代に蘇ったら・・ネット碁対局から日中韓若手対決まで。読み応え十分、完成度高すぎです。

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