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日本の最大降水量歴代ランキング~豪雨災害は2000年代以降に急増~

2020年7月、九州や岐阜、長野、山形で大雨特別警報が出されました。この豪雨に伴い全国の複数の河川が氾濫を起こし、流域では浸水や土砂災害が発生。この豪雨は「令和2年7月豪雨」と命名されました。

 

今回は近年たびたび発生する豪雨と過去の最大降水量についてです。 

 

 

大雨で傘をさす男性

豪雨は増加傾向にある

以前日本の最高気温地点ランキングについての記事を書きました。近年地球温暖化に伴い最高気温の地点記録も次々と塗り替えられております。

日本の最高気温地点ランキング~歴代1位は埼玉県熊谷の41.1度~ - Shoko-Ranking

 

では地球温暖化に伴って豪雨も増えているのでしょうか?

元気象庁気象研究所で東京都立大学の藤部文昭教授の研究によると、1979年~2013年までの35年間の推移では、降水量が増加の傾向(10年あたり3.6%の増加)にあるとのことです。

1979~2013 年の 35 年間にわたる 1 時間降水量の年最大値(年最大 1 時間降水量)の推移は年による増減はあるが、全体に右上がり、すなわち増加する傾向が見られる。

また35 年間の変化を直線で近似すると、その増加率は 10 年当たり 3.6%になる。この増加が偶然の変動によって生じている可能性は 1%未満であり、年最大 1時間降水量が増えているのは事実であると見なすことができる。

 ~引用:「温暖化に伴い強雨は増えるのか?-アメダス観測が示す気温と強雨の関係-」より

 

この強雨の増加の要因として、やはり温暖化の影響が関与しているとのことです。

藤部教授は”気温や近海の海面温度が高い年には強い降水が起こりやすい”と指摘しています。

気温や海面水温の高い年に年最大 1 時間降水量が大きい傾向がある。実際、年最大 1 時間降水量と気温・海面水温との間には 0.5~0.6 の相関がある (危険率 1%で有意)。
このように、日本では過去 35 年間に気温や近海の海面水温が上昇し、同時に極端な降水が強まる傾向がある。また、年々の変動においても、高温年に強い降水が起こりやすい傾向がある。

~引用:「温暖化に伴い強雨は増えるのか?-アメダス観測が示す気温と強雨の関係-」より

 

続いて気象庁の観測記録から、最大10分間降水量最大1時間降水量最大1日降水量の各歴代記録のトップ20までをご紹介いたします。(データは2020年8月1日現在)

 

最大10分間降水量 歴代記録ランキング

順位 都道府県 地点 観測値(mm) 起日 現在観測を実施
1 埼玉県 熊谷 * 50 2020年6月6日
新潟県 室谷 50 2011年7月26日
3 高知県 清水 * 49 1946年9月13日
4 宮城県 石巻 * 40.5 1983年7月24日
5 埼玉県 秩父 * 39.6 1952年7月4日
6 兵庫県 柏原 39.5 2014年6月12日
7 兵庫県 洲本 * 39.2 1949年9月2日
8 神奈川県 横浜 * 39 1995年6月20日
9 東京都 練馬 38.5 2018年8月27日
宮崎県 宮崎 * 38.5 1995年9月30日
長野県 軽井沢 * 38.5 1960年8月2日
12 沖縄県 石垣島 * 38.2 1937年3月30日
13 和歌山県 潮岬 * 38 1972年11月14日
高知県 室戸岬 * 38 1942年9月17日
15 山梨県 河口湖 * 37.3 1960年8月2日
16 鹿児島県 小宝島 36.5 2018年9月24日
岩手県 紫波 36.5 2015年6月16日
兵庫県 神戸 * 36.5 2012年4月3日
19 茨城県 水戸 * 36.3 1959年7月7日
20 三重県 尾鷲 * 36.1 1960年10月7日


出典:気象庁ホームページ (気象庁|歴代全国ランキング)上記は2020年8月1日時点

 

最大1時間降水量 歴代記録ランキング

順位 都道府県 地点 観測値(mm) 起日 現在観測を実施
1 千葉県 香取 153 1999年10月27日
長崎県 長浦岳 153 1982年7月23日
3 沖縄県 多良間 152 1988年4月28日  
4 熊本県 甲佐 150 2016年6月21日
高知県 清水 * 150 1944年10月17日
6 高知県 室戸岬 * 149 2006年11月26日
7 福岡県 前原 147 1991年9月14日
8 愛知県 岡崎 146.5 2008年8月29日
9 沖縄県 仲筋 145.5 2010年11月19日
10 和歌山県 潮岬 * 145 1972年11月14日
11 鹿児島県 古仁屋 143.5 2011年11月2日
12 山口県 山口 * 143 2013年7月28日
13 千葉県 銚子 * 140 1947年8月28日
14 宮崎県 宮崎 * 139.5 1995年9月30日
15 三重県 宮川 139 ] 2004年9月29日
沖縄県 与那覇岳 139 1980年9月24日  
三重県 尾鷲 * 139 1972年9月14日
18 鹿児島県 小宝島 138.5 2018年9月24日
山口県 須佐 138.5 2013年7月28日
20 沖縄県 宮古島 * 138 1970年4月19日

 出典:気象庁ホームページ (気象庁|歴代全国ランキング)上記は2020年8月1日時点

 

最大1日降水量 歴代記録ランキング

順位 都道府県 地点 観測値(mm) 起日 現在観測を実施
1 神奈川県 箱根 922.5 2019年10月12日
2 高知県 魚梁瀬 851.5 2011年7月19日
3 奈良県 日出岳 844 1982年8月1日  
4 三重県 尾鷲 * 806 1968年9月26日
5 香川県 内海 790 1976年9月11日
6 沖縄県 与那国島 * 765 2008年9月13日
7 三重県 宮川 764 2011年7月19日
8 愛媛県 成就社 757 2005年9月6日
9 高知県 繁藤 735 1998年9月24日
10 徳島県 剣山 * 726 1976年9月11日  
11 宮崎県 えびの 715 1996年7月18日
12 高知県 本川 713 2005年9月6日
13 静岡県 湯ケ島 689.5 2019年10月12日
14 和歌山県 色川 672 2001年8月21日
15 奈良県 上北山 661 2011年9月3日
16 高知県 池川 644 2005年9月6日
17 徳島県 福原旭 641.5 2011年7月19日
18 埼玉県 浦山 635 2019年10月12日
19 沖縄県 多良間 629 1988年4月28日  
20 高知県 高知 * 628.5 1998年9月24日

出典:気象庁ホームページ (気象庁|歴代全国ランキング)上記は2020年8月1日時点

 *印の地点は気象台等です。観測所には、気象台や気象台と同様の観測装置を使う測候所、気象観測所、特別地域気象観測所(以下「気象台等」と呼ぶ)とアメダスの2種類があります。

 

最大10分間の記録では、近年の記録もランキングされている一方でかなり古い年の記録も数多くランキングされています。

しかし、最大1時間降水量や最大1日降水量など測定スパンが長くなるにつれ、近年の記録が占める割合が確実に大きくなっています。

 

 

集中豪雨と線状降水帯

ここ数年、ニュースなどで長く続く大雨や集中豪雨により大規模な水害が発生した際、その要因として「線状降水帯」という言葉が使われるようになりました。

 

線状降水帯とは 

線状降水帯に厳密な定義はないようですが、雨の降っている場所の幅が20〜50km、長さがおよそ50~200kmで数時間ほぼ同じ場所にとどまる場合、線状降水帯と呼ばれることになります。

そして線状降水帯の正体は積乱雲です。積乱雲はいわゆる雷雲と呼ばれるもので、夕立のような、土砂降りの雨をもたらします。この積乱雲が連続して発生し線状に並ぶことでこれまでに経験したことのないような大雨をもたらします。

線状降水帯の発生理由

 引用:時事通信



 

発生メカニズムは?

ではなぜこの線状降水帯が発生するのかということになると、いまだそのメカニズムは完全に解明されていません。(バックビルディング現象など起こりやすい条件はいくつかわかってきています)

そして線状降水帯の発生と温暖化との関連についても明確にはなっていないようです。

温暖化による海面温度上昇とそれに伴う水蒸気量の増加が降水量の増加を引き起こしているのは間違いないようです。

しかし、それだけで線状降水帯の発生増をすべて説明できるわけでは無いとのことです。

以下に一覧を示しますが、国内の豪雨災害は2000年以降に特に頻度が増えており、今後メカニズムの解明と危険予測の精度向上に期待がかかります。

 

気象庁が命名した豪雨災害一覧(1960年以降記録) 

豪雨災害名 期間
令和2年7月豪雨 2020年7月3日~7月末?
平成30年7月豪雨=西日本豪雨 2018年6月28日~7月8日
平成29年7月九州北部豪雨 2017年6月30 日~7月10 日
平成27年9月関東・東北豪雨 2015年9月7日~11日
平成26年8月豪雨 2014年7月30日~8月20日
平成24年7月九州北部豪雨 2012年7月11日~14日
平成23年7月新潟・福島豪雨 2011年7月27日~30日
平成21年7月中国・九州北部豪雨 2009年7月19日~26日
平成20年8月末豪雨 2008年8月26日~31日
平成18年7月豪雨 2006年7月15日~24日
平成16年7月福井豪雨 2004年7月17日~18日
平成16年7月新潟・福島豪雨 2004年7月12日~14日
平成5年8月豪雨 1993年7月31日~8月7日
昭和58年7月豪雨 1983年7月20日~29日
昭和57年7月豪雨 1982年7月23日~25日
昭和47年7月豪雨 1972年7月3日~15日
昭和42年7月豪雨 1967年7月8日~9日
昭和39年7月山陰北陸豪雨 1964年7月17日~20日
昭和36年梅雨前線豪雨 1961年6月24日~7月5日

(出典:Japan Dataのデータを基に再編集)

 

豪雨災害は 2000年以前には10年間で2回程度であったのが、2000年以降は10年間で5〜6回程度まで増加していることがわかります。

 

降水関係の役立ちサイト

ウェザーニュースから線状降水帯マップが確認できます。

簡単にアクセス可能で豪雨災害の危険予測に活用が期待されます。

 

以下は気象庁のサイトです。

今後の雨:15時間先までの1時間ごとの分布を予測します。

雨雲の動き:1時間先までの雨雲の動きが予測できるサイトです。


まとめ
この記事をざっくり要約すると
  1. 近年日本で強雨は増加傾向にある。10年で3.6%の増加で温暖化と関連あり。
  2. 10分間降水量の歴代1位地点は埼玉県熊谷(2020年6月)と新潟県室谷(201年7月)
  3. 1時間降水量の歴代1位地点は千葉県香取(1999年10月)と長崎県長浦岳(1982年7月)
  4. 1日降水量の歴代1位地点は神奈川県箱根(2019年10月)
  5. 線状降水帯は積乱雲が連続して線状に並ぶことでこれまで経験したことのないような大雨をもたらす。しかしメカニズムは未解明。
  6. 豪雨災害は2000年以降に急増、温暖化との関連について解明が待たれる

 

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