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スターバックス指数ランキング(2019年トール・ラテ指数)

以前の記事でビッグマック指数ランキングについてとりあげました。⇓

www.shoko-ranking.com

 

そして不思議なことに、上記記事は当ブログにおいて過去1か月間で最も読まれた記事になっています・・(単にSEOの影響の可能性?)

そこで今回は関連ランキングをご紹介します。

 

 

スターバックコーヒー看板


ビックマック指数のおさらい

まず最初に有名な「ビッグマック指数」について改めて説明いたします。

この指数は英国の経済誌「The Economist(エコノミスト)」が発表する指標で、各国のマクドナルドで販売される「ビッグマック」1個あたりの価格から、異なる2つの通貨において、購買力を比較するために用いられる経済指標です。

 

ここでの購買力とは、その通貨がどれほどの財やサービスを購入できるかということでその通貨の貨幣価値を表しています。

 

そしてビッグマック指数の目的は、国ごとの物価を測る指標ではなく、2通貨間の購買力平価を測定するための指数として用いられております。

 

購買力平価 とは

何やら難しい言葉が出て来ましたが、わかりやすくハンバーガーを例にして言い換えた説明がありましたので引用します。 

購買力平価説

例えばアメリカでは1ドルで買えるハンバーガーが日本では100円で買えるとするとき、1ドルと100円では同じものが買える(つまり1ドルと100円の購買力は等しい)ので、為替レートは1ドル=100円が妥当とする考え方です。

(引用:SMBC日興証券Websiteより)

つまり仮に現在の為替レートが1ドル=107円ならば、円はドルに対して安い相場ということになり、将来的には円は100円に向かっていく(買われていく)とする予測が立てられます。

ということでビッグマック指数やスタバ指数はこの説をもとに用いられています。 

しかし、この説が成立する前提条件が大きく2つあります。

  1. 比較対象となるモノの品質が均一である
  2. すべての財やサービスが自由に貿易される

1については、2国間(A国とB国)のモノの品質が同一という前提で成り立っています。よって国によって大きさやレシピが異なっていると2国間の価格を比べる意味はなくなってしまいます。

2については、すべての財やサービスが自由に貿易されることではじめて「一物一価の法則」(=モノが同じであれば価格も同じになる)が成りたちます。

しかしながら、上記2つの条件が完璧にクリアされるということは現実にはありませんから、厳密には成り立たないことになります。

それでも為替ルートの決定理論としては優れた説であるため、昔から研究・利用されています。

 

そしてビッグマック指数と同じ理論で「スターバックス指数(又はトール・ラテ指数」と呼ばれるものもありあります。

これは各国のスターバックスコーヒーにて販売されている「トール・ラテ」1個あたりの価格から算出されています。

 

スタバ指数


 (引用:http://on.wsj.com/XumxkS

このトール・ラテ指数も英国の経済紙「エコノミスト」が算出していますが、ここ最近の指数は全く見当たりませんでした。

 

そこで今回いろいろと調べてみたところ、アメリカのファインダー社という調査会社が、世界の主要76都市のスターバックスのトール・ラテ価格を調査発表していました。

 

世界のスターバックス指数

米国調査会社のファインダー社発表のスターバックス指数によって都市別の価格(USドル換算)したものがランキング化されています。

Finder's Starbucks Index 2019 - finder US

そして今回はエコノミストのビッグマック指数と同様に、米国のトール・ラテ価格を基準にして米国の価格に対する乖離率を指数として算出してみました。

それでは世界のスタバ指数のランキングを発表いたします。 

 

 世界のスターバックス指数ランキング(2019年トール・ラテ指数)

順位 国・地域名 都市名 価格(US㌦) 指数(%)
1 デンマーク コペンハーゲン 6.05 40.7
2 スイス アーラウ 5.94 38.1
3 フィンランド ヴァンター 5.40 25.6
4 マカオ マカオ 5.21 21.2
5 ルクセンブルク ルクセンブルク 5.18 20.5
6 ノルウェー オスロ 5.14 19.5
7 香港 香港 4.60 7.0
8 シンガポール シンガポール 4.50 4.7
9 ドイツ ミュンヘン 4.39 2.1
10 ロシア モスクワ 4.35 1.2
11 ベルギー ルーヴェン 4.35 1.2
11 モナコ モナコ 43.5 1.2
13 スウェーデン ストックホルム 4.34 0.9
14 キュラソー ウィレムスタッド 43.4 0.9
15 レバノン ジュベイル地区、レバノン山 4.31 0.2
16 アメリカ ニューヨーク市 4.30 0
17 フランス パリ 4.30 0
18 アラブ首長国連邦 ドバイ 4.29 -0.2
19 クウェート アルジャーラ 4.27 -0.7
20 バーレーン マナーマ 4.20 -2.3
21 バハマ ナッソー 4.20 -2.3
22 オーストリア ウィーン(ウィーン) 4.13 -4.0
23 カタール ドーハ 4.12 -4.2
24 オマーン マスカット 4.11 -4.4
25 ヨルダン アンマン 4.09 -4.9
26 中国 上海 4.08 -5.1
27 オランダ アイントホーフェン 4.07 -5.3
28 キプロス ニコシア 4.02 -6.5
29 パナマ パナマ市 3.95 -8.1
30 チリ サンティアゴ 3.91 -9.1
31 アイルランド ダブリン 3.91 -9.1
32 韓国 ソウル 3.88 -9.8
33 ギリシャ アテネ 3.85 -10.5
34 台湾 新竹市 3.85 -10.5
35 ウルグアイ モンテビデオ 3.84 -10.7
36 日本 東京 3.79 -11.9
37 タイ バンコク 3.76 -12.6
38 サウジアラビア リヤド 3.73 -13.3
39 コスタリカ サンノゼ 3.64 -15.3
40 ブルネイ バンダルスリブガワン 3.63 -15.6
41 イギリス ロンドン 3.58 -16.7
42 トリニダード・トバゴ トリンシティ 3.40 -20.9
43 ジャマイカ モンテゴベイ 3.31 -23.0
44 インド ニューデリー 3.30 -23.3
45 ニュージーランド ウェリントン 3.28 -23.7
46 エルサルバドル サンサルバドル 3.25 -24.4
47 アンドラ アンドララベリャ 3.19 -25.8
47 スペイン マドリード(郊外) 3.19 -25.8
49 カザフスタン アルマトイ 3.19 -25.8
50 カナダ トロント 3.15 -26.7
51 インドネシア ジャカルタ(郊外) 3.13 -27.2
52 オーストラリア シドニー 3.09 -28.1
53 スロバキア ブラチスラバ 3.08 -28.4
54 マレーシア セリケンバンガン 3.04 -29.3
55 ポーランド ワルシャワ 3.02 -29.8
56 ベトナム ホーチミン市 3.02 -29.8
57 カンボジア プノンペン 2.95 -31.4
58 チェコ共和国 プラハ 2.94 -31.6
59 ボリビア サンタクルーズ 2.9 -32.6
60 アゼルバイジャン バクー 2.89 -32.8
61 グアテマラ グアテマラシティ 2.86 -33.5
62 ルーマニア ブカレスト 2.77 -35.6
63 イタリア ミラノ 2.75 -36.0
63 ポルトガル リスボン 2.75 -36.0
65 ペルー リマ 2.7 -37.2
66 モロッコ カサブランカ 2.69 -37.4
67 フィリピン ケソンシティ 2.69 -37.4
68 ハンガリー ブダペスト 2.62 -39.1
69 ブラジル サンパウロ 2.43 -43.5
70 ブルガリア ソフィア 2.2 -48.8
71 南アフリカ ヨハネスブルグ 2.18 -49.3
72 メキシコ メキシコシティ 2.15 -50.0
73 アルゼンチン ブエノスアイレス 2.14 -50.2
74 コロンビア ボゴタ 2.04 -52.6
75 エジプト カイロ(周辺) 1.95 -54.7
76 トルコ イスタンブール 1.78 -58.6

 (参考:finder「THE STARBACKS INDEX 2019」をもとに米国の価格を基準として指数を算出。為替レートは2019年9月12日時点)1ドル=108.09円

https://www.finder.com/starbucks-index

 

本来は消費税(付加価値税)抜きにして比べなければならないのですが、日本の価格は消費税込み価格となっていることから、おそらく調査価格はすべて税込みになっているようです。よって税率の高い北欧諸国が上位になっています。

これはビッグマック指数でも同様の傾向が指摘されています。

もっとも価格の高い国はデンマークで6.05ドル(日本円でおよそ653円)、もっとも低い国はトルコで1.78ドル(日本円で192円)となっています。

ちなみに日本の価格は3.79ドル(410円)で76カ国中36番目となっていて、調査対象国では真ん中くらいの価格となっています。

一方、アメリカのトール・ラテ価格は調査時の日本円換算で464.7円1ドル=108.09円※2019年9月12日)となります。

よって日本のトール・ラテ価格410円よりも55円高いことになります。これを購買力平価でみた2国間通貨の差は-11.9%となっています。

 

トール・ラテ価格の日本とアメリカの比較(1ドル=108.09円)小数点以下四捨五入

  • アメリカの価格:465円(4.30ドル)
  • 日本の価格  :410円(3.79ドル)

購買力平価説で考えると1ドル=95.34円で日米の価格が同じになります。

よって円は米ドルに対して現在は割安ということになります。

したがってこのスタバ指数から、将来円高に向かうと予測されます。

 

 

 以下にエコノミスト誌のビッグマック指数もあわせて載せてみました。

世界のビッグマック指数ランキング(2020年1月)

順位 国・地域名 価格(US㌦) BMI(%)
1位   スイス 6.71 18.4
2位   ノルウェー 5.97 5.32
3位   アメリカ 5.67 0
4位   スウェーデン 5.44 -3.98
5位   カナダ 5.18 -8.61
6位   イスラエル 4.91 -13.33
7位   ブラジル 4.8 -15.26
8位   ウルグアイ 4.78 -15.67
9位   ユーロ圏 4.58 -19.19
10位   デンマーク 4.46 -21.26
11位   オーストラリア 4.45 -21.5
12位   イギリス 4.41 -22.22
13位   シンガポール 4.38 -22.76
14位   ニュージーランド 4.29 -24.26
15位   レバノン 4.29 -24.28
16位   コスタリカ 4.12 -27.28
17位   アラブ首長国連邦 4.02 -29.18
18位   韓国 3.89 -31.35
19位   タイ 3.8 -33.01
20位   チェコ 3.76 -33.76
21位   バーレーン 3.71 -34.51
22位   クウェート 3.63 -36.06
23位   コロンビア 3.62 -36.16
24位   ペルー 3.58 -36.93
25位   カタール 3.57 -37.03
26位   日本 3.54 -37.49
27位   ニカラグア 3.54 -37.53
28位   ホンジュラス 3.53 -37.76
29位   サウジアラビア 3.47 -38.89
30位   チリ 3.42 -39.75
31位   パキスタン 3.36 -40.78
32位   クロアチア 3.29 -42.06
33位   グアテマラ 3.24 -42.78
34位   ヨルダン 3.24 -42.79
35位   スリランカ 3.2 -43.62
36位   中国 3.12 -44.93
37位   ハンガリー 3.01 -46.87
38位   オマーン 3 -47.1
39位   ポーランド 2.9 -48.9
40位   ベトナム 2.85 -49.77
41位   アルゼンチン 2.85 -49.79
42位   フィリピン 2.81 -50.49
43位   メキシコ 2.66 -53.15
44位   インド 2.65 -53.22
45位   エジプト 2.64 -53.35
46位   香港 2.64 -53.5
47位   モルドバ 2.58 -54.44
48位   インドネシア 2.41 -57.42
49位   台湾 2.41 -57.51
50位   ウクライナ 2.38 -58.1
51位   マレーシア 2.33 -58.88
52位   アゼルバイジャン 2.33 -58.94
53位   ルーマニア 2.21 -61.02
54位   トルコ 2.21 -61.04
55位   ロシア 2.2 -61.24
56位   南アフリカ 2.15 -62.01

(出典:The Economist -Big Mac Index 2020年1月)1ドル=110.04円

 

ビッグマック指数ではスタバ指数に比べて更に円が割という結果になっています。

アメリカのビッグマック価格は調査時点のレート換算で日本円にして624円となります。日本のビッグマックが390円ですので米国価格は234円も高いということになります。

よって、こちらも円は米ドルに対して大幅に安いということになります。

 

まとめ

この記事をざっくり要約すると
  1. エコノミスト誌のビッグマック指数は2国間の購買力平価の指標とされる
  2. 同様にスタバ指数もあるが、公開されたエコノミスト誌のデータは見当たらない
  3. ファインダー社がスタバ指数を発表。それをもとに米ドルとのかい離指数をランキング化
  4. スタバ指数からみた現在の日本の為替レートは、米ドルに対して円安の結果となった。またビッグマック指数はより大きな乖離(円安)であった。

 

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