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高齢者の貧困率ランキング~日本は2人で1人の高齢者を支える時代に~

以前の記事で子供の貧困率について取り上げました。

日本の子供の相対的貧困率はOECD加盟国で9番目に高いという結果でした。

日本は高齢者の相対的貧困率も先進国の中では高いという事実があります。

 

今回は高齢者の貧困率についての記事です。

 

 

貧困老人

超高齢化社会と貧困問題

WHOの定義では65歳以上の人口比率が21%超の社会を「超高齢化社会」と呼んでいます。

現在、世界で超高齢化社会に突入している国は、日本とイタリア、ドイツの3か国となっています。

総務省の発表では、2019年9月15日推計で日本における65歳以上の高齢者の人口は3,588万人で、総人口に占める割合は28.4%となり、人口、割合共に過去最高を更新したと発表しました。

 

65歳以上の人口比率の高い国Top3(2020年) 

1位 日本  :28.5%

2位 イタリア:24.0%

3位 ドイツ :22.7%

 

日本の高齢化率は世界で最も高く、そして高齢者人口の増加に伴う年金・医療・介護社会保障給付給付費の増大は財政上の大きな問題にもなっています。

1960年代は現役世代10人で1人の高齢者(65歳以上)を支えていたのが、現在はおよそ2人で1人を支える状況になっています。

高齢化社会と少子化は先進国共通の課題となっていますが、特に少子高齢化のスピードが速い日本では少子高齢化に伴う年金の財源不足も手伝って、年金だけでは生活できない貧困老人が急増しています。

 

 

「貧困」問題については2つの種類に分類されます。

「絶対的貧困」「相対的貧困」です。

 

絶対的貧困

国や地域の生活レベルとは無関係に、生きるうえで必要最低限の生活水準が満たされていない状態

(具体的には)→1日1.9ドル未満で生活する極度の貧困(国際貧困ライン) 

相対的貧困

その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態

(具体的には)→ 国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準

 

日本のような先進国における貧困問題は「相対的貧困」とされています。

 

以下、高齢者の相対的貧困率の国別ランキングです。 

下記ランキングの調査対象はOECD加盟国に4カ国を加えた40カ国となります。

 

高齢者の貧困率ランキング(66歳以上相対的貧困率)

順位 国名 指標
1 韓国 43.8%
2 エストニア 37.2%
3 ラトビア 35.3%
4 リトアニア 28.2%
5 コスタリカ 24.8%
6 メキシコ 24.7%
7 オーストラリア 23.7%
8 ブルガリア 23.3%
9 アメリカ 23.1%
10 南アフリカ 20.7%
11 イスラエル 20.6%
12 日本 19.6%
13 ルーマニア 18.5%
14 チリ 17.6%
15 トルコ 17.0%
16 スイス 16.5%
17 イギリス 14.9%
18 ロシア 14.1%
19 スロベニア 13.2%
20 カナダ 12.2%

 (出典:OECDデータ)2015年~2019年データより Inequality - Poverty rate - OECD Data

 

日本は40ヵ国中12位

高齢者の貧困率は40カ国中12位となっており、子供の貧困率(同9位)同様に高い状況です。

先進7カ国の中ではアメリカに次いで2番目に高いというのも子供の貧困率と同様です。

一方でその2倍以上に高齢者貧困率が高いのが隣の韓国です。 

 

1位は韓国の43.8%

高齢者の相対的貧困率の1位は韓国43.8%とダントツの高さです。

韓国における高齢者の貧困問題は長年の大きな課題になっています。

その最大要因としては不十分な公的年金制度があげられています。

韓国では「国民年金」の加入率が非常に低く、韓国統計庁によると、15年5月時点で勤労者の国民年金加入率は68.9%で、残りの31.1%は年金未加入者です。

さらに、低所得者層の加入率(月収10万円以下)の加入率は15.0%と極めて低く、年金格差が生じていることが明らかです。

また韓国は年金制度を導入したのが1988年と歴史が浅く、積立金が多くないことも理由に挙げられます。

ちなみに年金制度の評価(グローバル年金指数ランキング2018年度)に関しても、Dランクと非常に低い評価を受けています。(日本も同一ランク)

 

2017年における韓国の高齢化率は14%で、日本の27.3%に比べるとまだまだ低い水準であります。しかし高齢化率のスピードが速く、少子化が日本以上に深刻(出生率0.92人)なため2065年には高齢化率で日本を逆転すると予測されています。

韓国の2019年出生率、衝撃の0.92(JBpress) - Yahoo!ニュース

さらに2014年時点では韓国における76歳以上の高齢者の貧困率は60.2%に達しました(OECD平均14.6%)

 

 

 日本の課題

一方日本の高齢者貧困率は19.6%と韓国の状況とは比較になりませんが、OECD加盟国平均(15%)より高い貧困率です。これは言い換えれば高齢者の貧富の格差が大きいということになります。

高齢者の貧困率が高い主な要因は、韓国同様に年金制度の問題と考えられます。

日本の年金制度の評価は韓国同様にD評価であり、国会でもたびたび議論に上がっている通り非常に脆弱なものであります。

評価の詳細としては、総合指数(48.2)、十分性(54.1)、持続性(32.4)、健全性(60.7)となっていて特に制度の持続性に大きな懸念があることがわかります。

世界の年金ランキング、各国の受給年齢と定年年齢について - Shoko-Ranking

 

これは日本の年金制度は他の先進諸国同様に「賦課(ふか)方式」で制度設計されていたからにほかなりません。

賦課方式は言ってみれば現役世代が高齢者世代の年金を支払う形をとっています。

ということは少子高齢化が進んでいる限り、今後実質的な受給額が目減りするなど持続性に疑念が生じるのは必然といえます。

 

また厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者のいる世帯の貧困率は27.0%に達しており、4世帯に1世帯以上が貧困層です。具体的には現役世代の収入の半分以下の収入で暮らしていることになります。 

 

さらに65歳以上のひとり暮らし世帯の貧困率を見るとさらに深刻な状況です。

  • 男性単身世帯……36.4%
  • 女性単身世帯……56.2%

 

家計調査年報(2017年)によると、無職の高齢者世帯が得ている収入平均は月額で12万2000円年換算で147万円となっています。

その一方で、高齢者世帯(2人以上世帯のうちの勤労世帯)の平均貯蓄額は70歳以上で2385万円、60代で2382万円と現役世代に比べて高く、40代の2倍以上となっています。

この調査では貯蓄額を平均値で出しているため、一部の富裕層の貯蓄額が全体の平均値を大きく引き上げていることが考えられます。

よって実は高齢世帯ほど貧富の格差が拡大するということが起こっています。

 

この高齢者の貧困率を抑えている国があります。当ブログでおなじみの北欧諸国です。

中でもデンマークアイスランドは共に貧困率3%と極めて低く抑えています。

共通するのは高負担・高福祉国家という点で、高額な税金を払う代わりに社会保障や教育を充実させています。これによって国民の老後の不安を無くし、格差を生みにくい構造になっています。

これはSDGsの理念とも合致するところですが、仮に日本国内でその財源となる税率のさらなる引き上げを行おうとすれば、経済失速や国民負担増から大反対が起こることは間違いありません。

 

今後、定年年齢の引き上げや女性の社会進出、外国人労働者受け入れなど働き手が今以上に確保され、更に根本的問題となっている少子化に歯止めをたてることが必要です。

 

ただし、いずれも長期的なスパンで変わっていくもののため、それまではiDeCo(イデコ)のような制度をなるべく早いうちから活用したり、あるいは定年後も収入が得られるような副収入を作っていくしかないようです。

 

まとめ

この記事をざっくり要約すると
  1. 高齢化に伴い高齢者の貧困が問題に
  2. 日本の高齢者貧困率はOECDで12番目に高い。
  3. 高齢者の貧困率が世界で最も高いのは韓国。
  4. 日本の貧困率の高さの要因は高齢化率の高さと年金制度の脆弱さ
  5. 高齢者の貧困率が最も低いのはデンマークとアイスランド

 

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