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世界の都市圏人口ランキング2020~東京圏が不動の1位!~

今回は世界の都市的地域人口に関するランキングです。

現在、世界人口の約半分は大都市部に住んでおり、残りの半分は小都市または都市部外(農村部)に住んでいると言われています。

全人口に占める東京圏の人口の割合は、世界の主要都市圏の中でも突出して高いと言われています。

今回は都市圏人口ランキングです。

 

 

渋谷スクランブル交差点 人口密集

  

世界の都市的人口ランキング2020年版発表

米調査会社デモグラフィア社は世界の都市的人口ランキングを毎年発表しています。

同社の定義では都市的地域とは原則として人口50万人以上で400人/km以上の人口密度を有する、建物が連続する地域を規定しています。

また労働人口の自由な移動を前提としており、EUの一部を除き原則として国境を超えての都市圏設定を認めていません。

今回新たに2020年6月更新の最新ランキングが発表されましたので、以下トップ30位まで発表いたします。

 

 世界の都市的人口ランキングTop30

順位 都市的地域 国・地域 人口(万人) 面積(km2) 人口密度(人/k㎡)
1 東京-横浜 日本 3,797.7 8,230 4,614
2 ジャカルタ インドネシア 3,454.0 3,540 9,757
3 デリー インド 2,961.7 2,232 13,269
4 ムンバイ インド 2,335.5 944 24,740
5 マニラ フィリピン 2,308.8 1,873 12,327
6 上海 中国 2,212.0 4,068 5,438
7 サンパウロ ブラジル 2,204.6 3,116 7,075
8 ソウル-仁川 韓国 2,179.4 2,768 7,874
9 メキシコシティ メキシコ 2,099.6 2,386 8,800
10 広州-仏山 中国 2,090.2 4,342 4,814
11 ニューヨーク アメリカ 2,087.0 12,093 1,726
12 北京 中国 1,943.3 4,172 4,658
13 カイロ エジプト 1,937.2 2,010 9,638
14 コルカタ インド 1,756.0 1351 12,998
15 モスクワ ロシア 1,712.5 5,891 2,907
16 バンコク タイ 1,706.6 3,199 5,335
17 ブエノスアイレス アルゼンチン 1,615.7 3,221 5,016
18 深圳 中国 1,592.9 1,803 8,835
19 ダッカ バングラディッシュ 1,544.3 456 33,866
20 ロサンゼルス アメリカ 1,540.2 6,351 2,425
21 ラゴス ナイジェリア 1,527.9 1,965 7,776
22 イスタンブール トルコ 1,515.4 1,375 11,021
23 大阪-神戸-京都 日本 1,497.7 3,019 4,961
24 カラチ パキスタン 1,483.5 1,044 14,210
25 バンガロール インド 1,370.7 1,205 11,375
26 テヘラン イラン 1,363.3 1,704 8,001
27 キンシャサ コンゴ民主共和国 1,352.8 473 28,600
28 ホーチミン ベトナム 1,331.2 1638 8,127
29 リオデジャネイロ ブラジル 1,227.2 1,912 6,418
30 チェンナイ インド 1,132.4 1,049 10,795

(出所:Demographia World Urban Areas 16th Annual Edition: 202006)

 

東京圏の人口は世界トップ 

都市的地域人口のトップは東京-横浜(東京圏)となっています。

日本からは他に大阪-神戸-京都(大阪圏)が23位、名古屋圏が40位となり、世界トップ50位までには日本から3大都市圏がランクインとなりました。

また都市圏人口で考えると日本の総人口の半分がこの3大都市圏内に居住していることになります。

ただし、実はこの調査での東京-横浜が具体的にどこまでの範囲を示しているかが明示されていません。

東京都以外には神奈川、千葉、埼玉の大半と群馬、栃木、茨城のそれぞれ一部が含まれていると記載はありますが具体的な市町村名までは明らかになっていません。

同様に大阪-神戸-京都の都市圏もはっきりとした範囲は不明ですが、京阪神都市圏と呼ばれる大阪、兵庫県南部、京都府南部を中心とした2府4県(大阪府、京都南部、兵庫南部及び奈良、和歌山、滋賀、三重の各県の一部)が都市圏範囲に含まれていると考えられます。

 

全人口に占める東京圏の人口割合は29%(2015年国連推計)、ニューヨーク6%、ロンドン13%、上海2%と比べて際立って高い状況です。

 

30年前の世界的大都市圏Top10と順位変動

現在の世界の大都市圏人口が30年前と比べてどのように変動したかというレポートがあります。

世界都市的地域の人口変動は以下の通りです。 

 

順位 都市的地域 1990順位 人口(百万人) 2019順位 人口(百万人) 変動
1位 東京-横浜 1位 32.5 1位 38.5 18.40%
2位 大阪-神戸-京都 2位 18.4 14位 17.2 -6.50%
3位 ニューヨーク 3位 16.1 8位 21.0 30.60%
4位 メキシコシティ 4位 15.6 10位 20.4 30.40%
5位 サンパウロ 5位 14.8 9位 20.9 41.40%
6位 ムンバイ 6位 12.4 6位 23.6 89.80%
7位 カルカッタ 7位 10.9 19位 15.2 39.60%
8位 ロサンゼルス 8位 10.9 18位 15.4 41.50%
9位 ソウル 9位 10.5 4位 25.3 Note※
10位 ブエノスアイレス 10位 10.5 20位 15.1 43.60%

※ソウルは比較可能なデータなし(出所:demographia-world-urban-areas201904)

 

東京圏は30年前から変わらず1位

東京を中心とした都市圏は当時も世界一の人口でこの30年間変わっていないようです。一方、東京とムンバイ以外は大きく順位が様変わりしています。

日本においては大阪圏が人口を減らし、2位からトップ10圏外へと順位を下げました。

  

本レポートでの将来予測としては、2030年までに一定以上の所得水準の世界都市の中で、東京-横浜圏およびソウルのみがトップ10にとどまる可能性があると予想されています。

その時点での現段階での予測では、インドネシアのジャカルタが最も人口が多くなり、ニューヨークが12位まで下落する可能性が高いと考えられています。

  

限界集落増加の課題

日本の課題は山村の過疎化と都市部への人口の過剰な集中があげられます。

高齢化が進む一方で東京圏など都市部への一極集中が進むことで懸念されるのが、限界集落の増加です。

限界集落の主な区分

名称 定義 内容
準限界集落 55歳以上、人口比50%以上 跡継ぎの確保が難しくなっており、限界集落の予備軍
限界集落 65歳以上、人口比50%以上 高齢化が進み、共同体の機能維持が限界にある状態
危機的集落 65歳以上、人口比70%以上 9軒以下、共同体の機能維持が極限に達している状態。
消滅集落 人口0 かつて住民が存在したが集落が消滅した状態。

全国の限界集落(65歳以上が人口の半数以上を占める)は15,568集落あると言われています。

エリア別では中国圏、九州圏、四国圏が多く、特に 四国圏と中国圏は、限界集落の比率が高いことに伴って、集落の機能低下、または集落が維持困難になっている割合も高くなっています。

一方でこの限界集落の再生という試みも各地で行われています。

空き家を改修し、宿泊などの事業とすることで成功する例がいくつかあります。

その代表例が兵庫県篠山市の丸山集落です。丸山集落では「農泊」という農村体験型の宿泊・滞在事業によって集落に活気が戻り、農村再生のロールモデルとして全国に知られることとなりました。

兵庫県篠山市「集落丸山」に見る農泊の成功法則 - 日経ビジネス電子版 Special

 

 

 安宅和人著「シン・ニホン」・・筆者はアニメ「風の谷のナウシカ」に出てくるような「風の谷」の村を創ることを提唱しています

 

 

まとめ
この記事をざっくり要約すると
  1. 世界の都市圏人口ランキング2020年発表
  2. 世界最大の都市圏は日本の東京圏
  3. 東京圏は30年前の1990年から1位で変動なし。大阪圏は2位だった。
  4. 都市部集中の反面、農村部の過疎化が進み限界集落が増えている。

 

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