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芥川賞受賞者ランキング~最年少は19歳・最年長は75歳~

第164回芥川賞・直木賞の選考会が20日、都内で開かれ、芥川賞に宇佐見りんさん(21歳)の「推し、燃ゆ」が選ばれました。

宇佐見さんは現役大学2年生。21歳8カ月での受賞は、03年下期に受賞した綿矢りさ氏(当時19歳11カ月)、金原ひとみ氏(当時20歳5カ月)に次ぐ史上3番目の若さとなりました。

今回は芥川賞の歴代年少・年長記録のランキングです。

 

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芥川賞とは

芥川龍之介賞(あくたがわりゅうのすけしょう)、通称芥川賞は、"純文学"の新人に与えられる文学賞です。

大正時代を代表する小説家の一人・芥川龍之介の業績を記念して、友人であった菊池寛1935年に直木三十五賞(直木賞)とともに創設し、1月と7月の年2回発表されます。

同賞は文藝春秋社内の日本文学振興会によって選考が行われ、賞が授与されています。 

 

芥川賞と直木賞の違い

同時に発表される芥川賞・直木賞の2つの賞ですが、2つの違いとしては、直木賞は大衆文学作品が対象なのに対して芥川賞は純文学作品が対象となっています。

また作家についても直木賞が実質的に中堅以上の作家が対象であることに対して、芥川賞は新人や無名の作家が対象であるという点が大きな違いとなっています。 

 

それでは芥川賞の歴代年少者受賞ランキングです。 

芥川賞年少受賞者ランキングTop5

- 作家名 受賞年齢 受賞作
1 綿矢 りさ 19歳11か月 第130回「蹴りたい背中」 
2 金原 ひとみ 20歳5か月 第130回「蛇にピアス」 
3 宇佐見 りん 21歳8か月 第164回「推し、燃ゆ」 
4 丸山 健二 23歳0か月 第56回「夏の流れ」 
5 石原 慎太郎 23歳3ヵ月 第34回「太陽の季節」 
最年少記録は綿矢りさ氏の19歳11か月

歴代の最年少記録は綿矢りさ氏です。

第130回(2003年上半期)に「蹴りたい背中」で19歳11か月という若さで受賞し、それまでの最年少記録だった丸山健二氏の23歳0か月を大きく更新しました。

またこの第130回では、同時に金原ひとみ氏(当時20歳5ヵ月)も「蛇にピアス」で受賞しており、新人若手女性作家のダブル受賞によって、世間でも大きな話題となりました。 

今回の第164回で宇佐見りん氏が21歳8か月で受賞したことで、年少記録トップ3はすべて女性作家ということになりました。

 

続いては、年長受賞者のランキングです。

芥川賞は純文学作品における新人賞であることから、個人的にはむしろ年長記録の方に

興味をもちました。

 

 芥川賞年長受賞者ランキングTop5

- 作家名 受賞年齢 受賞作
1 黒田 夏子 75歳9か月 第148回「abさんご」 
2 若竹 千佐子 63歳 第158回「おらおらでひとりいぐも」 
3 森 敦 61歳11か月 第70回「月山」 
4 三浦 清宏 57歳4か月 第98回「長男の出家」   
5 米谷 ふみ子 55歳2か月 第94回「過越しの祭」 

 

最年長記録は黒田夏子氏の75歳9か月

芥川賞の最年長受賞記録は第148回(2012年下半期)に受賞した黒田夏子氏です。

黒田氏は、1937年生まれ。早稲田大学を卒業後、教員・事務員・校正者などを経て、2012年「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞を受賞してデビューし、75歳9か月で芥川賞受賞という快挙となりました。

なので受賞はもちろん、デビュー時の年齢でも話題になりました。

 

そして黒田氏に次ぐのは若竹千佐子氏の63歳(誕生月日は非公称)です。

若竹氏は、2017年の「おらおらでひとりいぐも」で小説家としてデビュー。翌2018年の63歳で同作で芥川賞受賞となりました。

こちらもデビュー翌年での受賞となっています。

 

芥川賞の平均年齢は36.9歳 。50歳以上は11名

最後に芥川賞受賞作家の全174名を年齢順に並べてみました。筆者の調べたところでは、受賞時の平均年齢は36.9歳でした。

そして特筆すべきは新人賞でありながら50歳以上での受賞者が11名もいるということです。

 

芥川賞作家・受賞年齢リスト

受賞年齢 作家名 最終ノミネート 受賞作
75 黒田 夏子 1回 第148回「abさんご」 
63 若竹 千佐子 1回 第158回「おらおらでひとりいぐも」 
61 森 敦 1回 第70回「月山」 
57 三浦 清宏 2回 第98回「長男の出家」   
55 米谷 ふみ子 1回 第94回「過越しの祭」 
54 石井 遊佳 1回 第158回「百年泥」 
52 重兼 芳子 3回 第81回「やまあいの煙」  
51 森 禮子 1回 第82回「モッキングバードのいる町」 
50 高橋 揆一郎 4回 第79回「伸予」 
50 瀧澤 美恵子 1回 第102回「ネコババのいる町で」 
50 山下 澄人 4回 第156回「しんせかい」 
49 斯波 四郎 1回 第41回「山塔」 
49 阪田 寛夫 2回 第72回「土の器」  
49 古山 高麗雄 1回 第63回「プレオー8の夜明け」 
48 由起 しげ子 1回 第21回「本の話」 
48 後藤 紀一 1回 第49回「少年の橋」 
48 又吉 栄喜 1回 第114回「豚の報い」 
47 清岡 卓行 1回 第62回「アカシヤの大連」 
47 笠原 淳 1回 第90回「杢二の世界」 
46 加藤 幸子 1回 第88回「夢の壁」 
46 辺見 庸 1回 第105回「自動起床装置」 
46 松浦 寿輝 2回 第123回「花腐し」  
45 日野 啓三 4回 第72回「あの夕陽」  
45 木崎 さと子 6回 第92回「青桐」   
45 玄侑 宗久 2回 第125回「中陰の花」  
45 高山 羽根子 3回 第163回「首里の馬」  
44 櫻田 常久 1回 第12回「平賀源内」  第11回予選「薤露の章」 
44 岡松 和夫 4回 第74回「志賀島」  
44 林 京子 1回 第73回「祭りの場」 
44 辻原 登 2回 第103回「村の名前」 
44 楊 逸 2回 第139回「時が滲む朝」 
44 磯崎 憲一郎 2回 第141回「終の住処」  
44 小野 正嗣 4回 第152回「九年前の祈り」   
43 松本 清張 1回 第28回「或る「小倉日記」伝」 
43 郷 静子 1回 第68回「れくいえむ」 
43 池田 満寿夫 1回 第77回「エーゲ海に捧ぐ」 
43 尾辻 克彦 3回 第84回「父が消えた」  
43 花村 萬月 1回 第119回「ゲルマニウムの夜」 
43 西村 賢太 3回 第144回「苦役列車」 
42 井上 靖 2回 第22回「闘牛」  第22回「猟銃」 
42 丸谷 才一 3回 第59回「年の残り」  
42 吉行 理恵 2回 第85回「小さな貴婦人」  
42 唐 十郎 1回 第88回「佐川君からの手紙」 
42 新井 満 4回 第99回「尋ね人の時間」  
42 村田 喜代子 3回 第97回「鍋の中」  
42 池澤 夏樹 1回 第98回「スティル・ライフ」 
42 青来 有一 5回 第124回「聖水」  
42 吉村 萬壱 1回 第129回「ハリガネムシ」 
41 東野邊 薫 1回 第18回「和紙」 
41 田久保 英夫 4回 第61回「深い河」 
41 大城 立裕 1回 第57回「カクテル・パーティー」 
40 柴崎 友香 4回 第151回「春の庭」 
39 小島 信夫 5回 第32回「アメリカン・スクール」
39 宮原 昭夫 4回 第67回「誰かが触った」  
39 室井 光広 1回 第111回「おどるでく」 
39 藤沢 周 4回 第119回「ブエノスアイレス午前零時」 
39 絲山 秋子 4回 第134回「沖で待つ」  
39 田中 慎弥 5回 第146回「共喰い」 
39 円城 塔 3回 第146回「道化師の蝶」  
39 上田 岳弘 3回 第160回「ニムロッド」  
39 今村 夏子 3回 第161回「むらさきのスカートの女」  
38 石塚 喜久三 1回 第17回「纏足の頃」 
38 三木 卓 2回 第69回「鶸」  
38 笙野 頼子 2回 第111回「タイムスリップ・コンビナート」  
38 保坂 和志 1回 第113回「この人の閾(いき)」 
38 川上 弘美 2回 第115回「蛇を踏む」  
38 町田 康 3回 第123回「きれぎれ」  
38 沼田 真佑 1回 第157回「影裏」 
38 高橋 弘希 4回 第159回「送り火」 
37 石川 淳 1回 第4回「普賢」  第2回予選「葦手」 
37 尾崎 一雄 1回 第5回『暢気眼鏡』 
37 中山 義秀 1回 第7回「厚物咲」 
37 石川 利光 2回 第25回「春の草」  
37 河野 多恵子 3回 第49回「蟹」 
37 津村 節子 2回 第53回「玩具」  
37 大庭 みな子 1回 第59回「三匹の蟹」 
37 畑山 博 4回 第67回「いつか汽笛を鳴らして」 
37 高樹 のぶ子 4回 第90回「光抱く友よ」 
37 南木 佳士 5回 第100回「ダイヤモンドダスト」  
37 奥泉 光 4回 第110回「石の来歴」  
37 辻 仁成 2回 第116回「海峡の光」 
37 藤野 千夜 2回 第122回「夏の約束」  
37 堀江 敏幸 1回 第124回「熊の敷石」 
37 諏訪 哲史 1回 第137回「アサッテの人」 
36 小田 嶽夫 1回 第3回「城外」 
36 近藤 啓太郎 4回 第35回「海人舟」 
36 野呂 邦暢 5回 第70回「草のつるぎ」   
36 李 恢成 5回 第66回「砧をうつ女」 
36 吉田 知子 1回 第63回「無明長夜」 
36 山本 道子 1回 第68回「ベティさんの庭」 
36 藤原 智美 1回 第107回「運転士」 
36 吉目木 晴彦 1回 第109回「寂寥郊野」 
36 阿部 和重 4回 第132回「グランド・フィナーレ」 
36 目取真 俊 1回 第117回「水滴」 
36 大道 珠貴 4回 第128回「しょっぱいドライブ」  
36 本谷 有希子 4回 第154回「異類婚姻譚」  
36 村田 沙耶香 1回 第155回「コンビニ人間」 
35 辻 亮一 2回 第23回「異邦人」 
35 田辺 聖子 1回 第50回「感傷旅行」 
35 青野 聰 2回 第81回「愚者の夜」  
35 伊藤 たかみ 3回 第135回「八月の路上に捨てる」  
35 赤染 晶子 1回 第143回「乙女の密告」 
35 鹿島田 真希 4回 第147回「冥土めぐり」  
35 又吉 直樹 1回 第153回「火花」 
35 町屋 良平 2回 第160回「1R(ラウンド)1分34秒」 
34 鶴田 知也 1回 第3回「コシャマイン記」 
34 富沢 有為男 1回 第4回「地中海」 
34 長谷 健 1回 第9回「あさくさの子供」 
34 倉光 俊夫 1回 第16回「連絡員」 
34 小尾 十三 1回 第19回「登攀」 
34 川村 晃 1回 第47回「美談の出発」 
34 柏原 兵三 2回 第58回「徳山道助の帰郷」  
34 荻野 アンナ 4回 第105回「背負い水」  
34 玄月 2回 第122回「蔭の棲みか」 
33 堀田 善衛 3回 第26回「広場の孤独」「漢奸」 
33 安岡 章太郎 4回 第29回「悪い仲間」「陰気な愉しみ」  
33 庄野 潤三 4回 第32回「プールサイド小景」  
33 北 杜夫 4回 第43回「夜と霧の隅で」   
33 高井 有一 1回 第54回「北の河」 
33 古井 由吉 4回 第64回「杳子」  
33 東 峰夫 1回 第66回「オキナワの少年」 
33 李 良枝 4回 第100回「由熙(ユヒ)」 
33 吉田 修一 5回 第127回「パーク・ライフ」  
33 モブ・ノリオ 1回 第131回「介護入門」 
33 藤野 可織 2回 第149回「爪と目」  
33 滝口 悠生 2回 第154回「死んでいない者」  
32 寒川 光太郎 1回 第10回「密猟者」  第10回予選「流刑囚の妻」 
32 八木 義徳 1回 第19回「劉廣福」 
32 菊村 到 3回 第37回「硫黄島」  
32 遠藤 周作 1回 第33回「白い人」 
32 庄司 薫 1回 第61回「赤頭巾ちゃん気をつけて」 
32 多和田 葉子 2回 第108回「犬婿入り」  
31 火野 葦平 1回 第6回「糞尿譚」 
31 五味 康祐 1回 第28回「喪神」 
31 大岡 玲 3回 第102回「表層生活」 
31 川上 未映子 2回 第138回「乳と卵」  
31 古川 真人 4回 第162回「背高泡立草」 
30 石川 達三 1回 第1回「蒼氓」 
30 吉行 淳之介 5回 第31回「驟雨」  
30 高橋 三千綱 2回 第79回「九月の空」 
30 宮本 輝 1回 第78回「螢川」 
30 高城 修三 1回 第78回「榧の木祭り」 
30 松村 栄子 1回 第106回「至高聖所」 
30 津村 記久子 3回 第140回「ポトスライムの舟」  
30 小山田 浩子 1回 第150回「穴」 
29 中里 恒子 1回 第8回「乗合馬車」「日光室」 
29 三浦 哲郎 1回 第44回「忍ぶ川」 
29 柴田 翔 2回 第51回「されどわれらが日々――」  
29 中上 健次 4回 第74回「岬」  
29 三田 誠広 1回 第77回「僕って何」 
29 長嶋 有 2回 第126回「猛スピードで母は」  
29 羽田 圭介 4回 第153回「スクラップ・アンド・ビルド」  
28 半田 義之 1回 第9回「鷄騒動」 
28 多田 裕計 1回 第13回「長江デルタ」 
28 小川 洋子 4回 第104回「妊娠カレンダー」 
28 柳 美里 3回 第116回「家族シネマ」
28 遠野 遥 1回 第163回「破局」 
27 芝木 好子 1回 第14回「青果の市」  第11回予選「ふたば記」 
27 安部 公房 1回 第25回「壁――S・カルマ氏の犯罪」 
27 開高 健 1回 第38回「裸の王様」 
27 宇能 鴻一郎 2回 第46回「鯨神」  
27 中村 文則 3回 第133回「土の中の子供」  
26 清水 基吉 1回 第20回「雁立」  第19回予選「雨絃記」 
26 朝吹 真理子 1回 第144回「きことわ」 
24 小谷 剛 1回 第21回「確証」 
24 村上 龍 1回 第75回「限りなく透明に近いブルー」 
23 石原 慎太郎 1回 第34回「太陽の季節」 
23 大江 健三郎 3回 第39回「飼育」  
23 丸山 健二 1回 第56回「夏の流れ」 
23 平野 啓一郎 1回 第120回「日蝕」 
23 青山 七恵 1回 第136回「ひとり日和」 
21 宇佐見 りん 1回 第164回「推し、燃ゆ」 
20 金原 ひとみ 1回 第130回「蛇にピアス」 
19 綿矢 りさ 1回 第130回「蹴りたい背中」 

(2021年1月時点)(最終ノミネートは受賞時も含む)

 

 

 

響~小説家になる方法~(1) (ビッグコミックス)

 

15歳で受賞した高校生の響(ひびき)

 

まとめ

この記事をざっくり要約すると
  1. 芥川賞は菊池寛によって創設された純文学における新人賞
  2. 歴代最年少受賞者は綿矢りさ氏の19歳11か月
  3. 歴代最年長受賞者は黒田夏子氏の75歳9か月
  4. 受賞者の平均年齢は36.9歳。50歳以上での受賞は11名

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