今回は世界の都市安全性についてのランキングです。
イギリスの経済誌「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」がNEC協賛の元に世界主要60カ国を対象に世界の都市安全性指数(SCI)2019ランキングを発表しました。
ここでの都市の安全性とは、犯罪発生率や紛争・テロのような指標のみを評価しているわけではなく、自然災害への対策や環境・ヘルスケアそしてサイバー対策や交通・インフラなど全57の指標により多岐にわたって評価しています。
それを4つの分野「サイバーセキュリティ」「医療・健康環境の安全性」「インフラの安全性」「個人の安全性」に分類して評価しランキング化したものです。
ランキング作成にあたっては広範囲なリサーチと専門家への詳細な聞き取りを経て決定したとしています。
SCI2019年版カテゴリーと指標リスト
(引用: The Economist [Safe Cities Index 2019 / Japanese))
世界の都市安全性指数ランキング(2019年)
順位 | 都市名 | 指数 |
---|---|---|
1位 | 東京 | 92.0 |
2位 | シンガポール | 91.5 |
3位 | 大阪 | 90.9 |
4位 | アムステルダム | 88.0 |
5位 | シドニー | 87.9 |
6位 | トロント | 87.8 |
7位 | ワシントン DC | 87.6 |
8位 | コペンハーゲン | 87.4 |
8位 | ソウル | 87.4 |
10位 | メルボルン | 87.3 |
11位 | シカゴ | 86.7 |
12位 | ストックホルム | 86.5 |
13位 | サンフランシスコ | 85.9 |
14位 | ロンドン | 85.7 |
15位 | ニューヨーク | 85.5 |
16位 | フランクフルト | 85.4 |
17位 | ロサンゼルス | 85.4 |
18位 | ウェリントン | 85.2 |
19位 | チューリヒ | 84.5 |
20位 | 香港 | 83.7 |
(出典:「Safe city index 2019」Safe Cities Index 2019 | NEC)
今回の調査で首位となった東京は2015年、2017年調査に続き3連続世界1位となりました。2位のシンガポールとは僅か0.5ポイントの差です。
また大阪も3位にランクインするなど日本の都市は非常に高い評価となっています。
以下4つの分野別のランキングです。
サイバーセキュリティTop5
順位 | 都市名 |
---|---|
1位 | 東京 |
2位 | シンガポール |
3位 | シドニー |
4位 | ワシントン DC |
5位 | ロサンゼルス |
5位 | サンフランシスコ |
医療・健康環境の安全性Top5
順位 | 都市名 |
---|---|
1位 | 大阪 |
2位 | 東京 |
3位 | ソウル |
4位 | アムステルダム |
4位 | ストックホルム |
インフラの安全性Top5
順位 | 都市名 |
---|---|
1位 | シンガポール |
2位 | 大阪 |
3位 | バルセロナ |
4位 | 東京 |
5位 | マドリッド |
個人の安全性Top5
順位 | 都市名 |
---|---|
1位 | シンガポール |
2位 | コペンハーゲン |
3位 | 香港 |
4位 | 東京 |
5位 | ウェリントン |
分析結果によると、各カテゴリーで上位にランクインした都市は、ヘルスケアサービスの質やサイバーセキュリティー専門チームの設置、警察によるコミュニティーレベルの巡回活動、災害時の事業継続計画整備などの基本的計画を積極的に進めています。
その中で東京は凶悪・軽犯罪発生率の低さや自然災害の防災インフラ、コンピュータのマルウェア感染率の低さなど、複数の指標で高い評価を得てトップを獲得しました。
総合では2位にシンガポール、3位に大阪と続いておりますが、地域による有利・不利は無かったと結論付けています。
まとめ
このSCI調査についてEIUは、
・現在世界の人口に占める都市住民の割合が56%を上回っていて、都市化の流れは予測を上回るス ピードで進行している。
・特に新興国では都市化が無秩序に進むケースも多く、都市化に伴う課題への対応が遅れれば、深刻な問題につながる懸念がある。
・しかし、そこで適切な対応がなされれば新興国の経済成長を後押して、世界全体の持続可能な繁栄に大きく貢献すると考えられる
と述べています。
- 世界の都市安全性ランキングで東京が総合1位、大阪が同3位となった
- 東京はサイバーセキュリティで1位、医療・健康環境で3位、インフラの安全性で4位、個人の安全性で4位となった
- 大阪は医療・健康環境で1位、インフラの安全性で2位となった
- 世界人口に占める都市住民の割合は増加の一途であり、新興国の都市化に伴う課題の対応は世界全体での持続可能な繁栄にもつながる