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自殺率の高い国ランキング(OECD加盟国)

最近有名人の自殺が相次いでいます。

今回は世界において自殺率が高い国とその特徴、また日本における自殺の状況について調べてみました。

 

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自殺死亡率の高い国ランキング(OECD加盟国)

順位 国名 10万人あたり自殺死亡率
1 韓国 23.0
2 リトアニア 22.2
3 ラトビア 18.1
4 スロベニア 17.3
5 ベルギー 15.9
6 ハンガリー 15.1
7 日本 14.9
8 フィンランド 14.6
9 米国 14.5
10 エストニア 13.6

(出所:Health status - Suicide rates - OECD Dataデータ抽出年は2015年-2018年まで国によって異なる

 

韓国の自殺率が高い

自殺率においては韓国とリトアニアが突出しています。

OECDの直近データで最も高かった国は韓国です。

韓国の自殺率は2017年時点で人口10万人あたり23.0人でした。

芸能人の自殺報道による影響からか、若い女性が自殺を図るケースが多い印象が与えられますが、韓国統計庁によると男女別では2018年・男性が10万人あたり38.5人、女性が14.8人となっていて男性が女性を大幅に上回っています。

ただし、男性が多いのは世界的に見ても同じ状況です。(2016年WHO平均=男性:13.5人 女性:7.7人)

むしろ韓国の特徴は他の世代に比べて高齢者の自殺率が非常に高いことにあります。

年代別には80代が69.8人と突出していて、次いで70代の48.9人となっています。

韓国において高齢者の自殺率が多いのは貧困率の高さとも関連が強いと考えられます。

 OECDの所得不平等統計で韓国の65歳以上の所得水準がOECD加盟国の中で最低だった背景には、韓国の高齢者には約1万4000円の公的年金すら受給資格がない人が多いことにある。そのため、高齢者の自殺率が1位になっている。~wikipedia~

韓国の高齢者の相対的貧困率は世界で最も高い状況です。

高齢者の貧困率ランキング~日本は2人で1人の高齢者を支える時代に~ - Shoko-Ranking


リトアニアの状況 

リトアニアは旧ロシア領・バルト3国の一つで、ポールンドの北東に位置しています。

他のバルト3国のラトビア、エストニアも同様に高い状況ですが、リトアニアが特に高いことで知られています。

リトアニア自殺者の特徴としては、男性が圧倒的に多く、アルコールに起因するものが多いとされています。

非常に寒い国であり、天気も悪い上、失業率も7%と高いため飲酒に走る人が多いとされています。

また実は殺人率もEU内で1位という不名誉な調査結果も出ています。そして数多い殺人の中には、警察が自殺で処理している案件も一定割合含まれているとされており、それも自殺率が高い要因にも繋がっていると推察されます。 

しかしながら、1995年の45.6人から減少傾向は続いており、現在は半数程度にまで下がってきております。

  

日本の状況

日本はOECD加盟国中7位の高さとなっており、先進7カ国(G7)では最も自殺率の高い国となっています。

国内の状況については、厚生労働省と警察庁がまとめた「令和元年中における自殺の状況」によると、 

  • 令和元年の自殺者数は20,169人となり、対前年比671人(約3.2%)減。平成22年以降、10年連続の減少となり、昭和53年から始めた自殺統計で過去最少となっている。
  • 男女別にみると、男性は10年連続の減少となっている。また、男性の自殺者数は、女性の約2.3倍となっている。
  • 無職者は10年連続で減少した。
  • 令和元年は平成30年と比較して、無職者が最も大きく減少し、431人の減少となった。  

 年代別では自殺率の高い順に①50代、②80歳以降、③40代 の順になっています。

  • 60歳代は12年連続、40歳代及び50歳代は10年連続、20歳代は8年連続、30歳代、70歳代及び80歳以上は6年連続で低下した。
  • 10~19歳以下は、前年より微増した。

 

要因別では健康問題が圧倒的に多いとされるものの、遺書が残されていないケースも多く、断定できるものではないようです。

  • 自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている。(「経済・生活問題」や「家庭問題」等、他の問題が深刻化する中で、これらと連鎖して、うつ病等の「健康問題」が生ずる等)
  • 個々の要因別にみると、経済・生活問題は10年連続、家庭問題は8年連続、健康問題は6年連続で減少した。
  • 令和元年は平成30年と比較して、健康問題が最も大きく減少し、562人の減少となった。
  • 職業別では無職者が最も多く次いで被用者・勤め人の順。 

ちなみに健康問題と一口に括っていますが、内情としては、フィジカルよりはメンタルの健康問題(うつ病などの気分障害)が主たる要因と考えられます。

 

都道府県別自殺率 上位5県(発見地ベース) 

①山梨県 22.3

②岩手県 22.2

③秋田県 22.1

④新潟県 19.6

⓹群馬県 19.2   

(出所:令和元年警察統計) 

上記は警察庁発表の都道府県別の人口10万人あたりの自殺率ですが、これは自殺者の発見地ベースとなっているため、富士の青木ヶ原樹海が自殺場所として選ばれてしまっているという事情があります。

しかし近年は地元での水際対策が奏功しており、樹海での自殺者は減少傾向にあります。

 

また国内全体としても自殺者は減少傾向にあります。

ピークは2003年の34,427人でしたが、2010年代より減少に転じ、直近では1990年代前半の水準まで下がっています。

年代別では15歳~39歳までの死因は自殺がトップとなります。20代では死亡原因のおよそ半数弱が自殺となっています。次いで不慮の事故死。

逆にいえば、15歳~39歳まではほかの原因(特に病気)での死亡率が非常に低いということになります。

一方で40代や50代では自殺による死亡率は更に上昇するものの、悪性新生物(がん)による死亡数が急激に上昇するために死亡原因としては相対的に下がっていくことになります。 

 

 

コロナの影響は?

厚生労働省の発表では、2020年1月~6月までの自殺者数は前年を下回っていたとの発表がありました。

一方で8月の速報値では単月前年比で246人の増加に転じました。特に女性の自殺者が増加しています。

今後の推移が注目されます。

 

 

 

まとめ

この記事をざっくり要約すると

  1. 自殺率が最も高い国は韓国。高齢者の自殺率の高さが顕著

  2. 韓国についで高いのがリトアニア。男性が圧倒的に多くアルコールに起因。

  3. 日本の自殺率はOECDで7位と非常に高く、G7では最も高いが10年連続で減少中。

  4. 日本の年代別では50代が最も多く、健康問題が最多要因。一方で20代では自殺が死因の半数を占める。

 

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