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スマホ世界シェアランキング~米中テクノロジー冷戦へ~

 

 海外メディアのブルームバーグは、現地時間7月31日に米アップル社の株価が急騰した結果、アップルの株式時価総額が1.81兆ドル(約190兆円)を突破し、市場価値がサウジアラビアのサウジアラムコ社を抜いて世界最大になったと報じました。

 

また、2020年4月~6月期に世界のスマートフォン出荷台数シェアで中国のファーウェイが初めて首位にたちました

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で韓国サムスン電子など競合が苦戦するなか、いち早く経済再開に動いた中国市場の需要を取り込んだ結果とされます。

 

今回はスマートフォンについての記事です。

 

iphone

  

現在世界全体で年間13億台ほど出荷されているスマートフォンですが、いったいそのシェアはどのようになっているのでしょうか?

まずは2019年のスマートフォン出荷台数のシェアです。

スマホ出荷台数・世界シェアランキングTop5

順位 企業名 国名 出荷台数(100万台) シェア
1 サムスン電子 韓国 295.7 21.6%
2 ファーウエイ 米国 240.6 17.6%
3 アップル 中国 191.0 13.9%
4 シャオミ 中国 125.6 9.2%
5 オッポ 中国 114.3 8.3%
-- その他 中国 403.6 29.4%
-- 合計 韓国 1371 100.0%

 (出所:IDC Quarterlry Mobile Phone Tracker Q4 2019,January30 2020)

サムスン、ファーウェイ、アップル3社が世界シェアの半分を占める

IT・通信の調査会社IDCによる2019年スマートフォン出荷台数は、サムスン電子が2億9570万台でシェア1位となっています。

2位には中国のファーウェイ(Hauwei)が対前年2.5ポイント増となり、初めて台数においてアップルを抜きました。

逆にアップルはシェアを1ポイント落として3位への後退となりました。

スマホ市場はこの3つの会社が世界シェアの半数を占める状況となっています。

 

ファーウェイが2020年4~6月期で初の世界首位獲得

そして冒頭紹介しましたが、ファーウェイが2020年4~6月期の出荷台数で初の世界首位を獲得いたしました。首位獲得の要因は他国市場がコロナ禍で苦戦する中、いち早く感染拡大が収まった中国国内で堅調に販売が積みあがった結果と分析されています。

その一方で、現在アメリカ政府によるファーウェイ製スマホの締め出しが同盟国にも包囲網構築として波及しています。イギリスやオーストラリア、韓国、そして日本も同様です。

インドも中国との関係悪化から中国製品の禁止策を打ちだしており、今後同社製品の世界市場でのシェア動向については不透明な状況となっています。

 

日本メーカーは世界では苦戦

上位3社に続くのが中国のシャオミとオッポです。出荷台数はそれぞれ1億台を突破しています。

以下大きく離れてヴィーボ(中国)、LGエレクトロニクス(韓国)、レノボ(香港)、TCL集団(韓国)、ノキア(フィンランド)などが続いております。

そして世界市場において日本メーカーは残念ながら戦えていない状況となっています。日本国内では長らく”ガラケー(ガラパゴス携帯)”と称される日本独自の携帯電話の市場が形成されておりました。

日本のスマホ市場は2011年に国内最大手のNTTドコモがスマートフォンを発売するまで、ソフトバンクなど先行して発売しているメーカーもあったものの、ほとんど普及しておらず海外に大きく遅れをとっています。

 

スマホOS世界シェア

続いてはOS(ソフト)の世界シェアです。

現在スマホのOSは米グーグルアンドロイドと同じく米アップルiOSの2つによって占められております。

データ会社のネットアプリケーションズによる世界のスマホOS市場の調査では、2020年1月時点でグーグル社のアンドロイドが71.09%アップル社のiOSは28.52%となっており、アンドロイドが大きくリードしています。

またこの2つのOSを合計すると99.61%となり、世界のスマホOS市場は2社が独占している状況です。

 

スマホOS世界シェア

順位 OS名 企業名 シェア
1 アンドロイド グーグル 71.09%
2 iOS アップル 28.52%

(出所:NetApplications.com)

 

世界最大の時価総額企業となったアップル 

スマホの出荷台数シェアでファーウェイに追い抜かれたアップルですが、2020年の株価は絶好調のようです。 

アップル株価は今年に入って約45%も上昇しており、四半期決算の発表前の段階でも韓国企業全体の株式時価総額を超えていました。

そしてこれまで世界1位の時価総額を誇っていたサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを抜いて時価総額1.8兆円の世界最高額の企業となりました。

 

首位のグーグルはファーウェイへのアプリ提供禁止へ

一方OSで首位のグーグルですが、 これまで中国企業とは良好な関係を築いており、共同開発なども積極的に行っていました。 ファーウエイ始めシャオミ、オッポなどの中国企業のOSはアンドロイドをベースにそれぞれカスタマイズされたものが搭載されています。

しかしトランプ氏が2018年12月に発出した大統領令によって、中国企業の通信機器の調達をアメリカ企業が行うことを禁止することになりました。これによってファーウェイはアメリカ企業から部品が調達できなくなりました。

また米商務省も大統領令に呼応するようにファーウェイへの製品や技術の輸出を禁止する措置をとりました。

ファーウェイはこの影響で新機種ではグーグルのアプリが使えなくなっており、またイギリスや日本国内においても同様の措置が取られることになりました。

 

 

このように米国の通信分野における中国企業への措置は厳しさを増しています。

そして、これには次世代高速通信「5G(ファイブジー)」をはじめとする米中のハイテク覇権競争が要因の一つになっているとも指摘されています。

 

「5G」とは

第5世代移動通信システム

(5th Generation)の略

<主な特徴(=4Gと比較して)>

高速・大容量(10倍)・・ダウンロード時間短縮、高精細な動画配信

低遅延(10分の1)・・遠隔制御による自動運転やロボット操作のタイムラグ減少

多数接続(10倍)・・IoT(モノのインターネット化)の普及、スマートホーム

  

5Gを成長戦略に見据えるファーウェイとアメリカの対立 

世界のスマートフォン市場は2015年までは2ケタ成長を続けておりました。

しかし、その後は鈍化し、頭打ち傾向が続いています。今後は新興国への浸透や5Gスマートフォンをテコに再成長の機会をうかがっています。

特に5Gの覇権をめぐっては「米中テクノロジー冷戦」とも呼ばれる状況になっています。

そしてこの技術ではアメリカよりも中国が進んでおり、世界のトップランナーになっています。そしてその中心企業がファーウェイです。

 

中国は「デジタル一帯一路」の構築を目指していて、もしそれが実現すると「21世紀の石油」ともいえるデータを支配した中国が経済覇権を握ることも想定されます。

そして中国に後れを取ったアメリカが米中貿易戦争に歩調を合わせ、安全保障上の懸念を理由に中国企業の排除を打ち出し、同盟国への同調を呼びかけているという構図になっています。

 

クリーンネットワーク構想で中国排除を更に加速

トランプ政権は、中国企業を通してアメリカの個人情報や企業機密が中国政府に奪われていると警戒しています。

実際に一部米紙も、中国の通信アプリ「ウィーチャット」には検閲システムが組みこまれ、当局が監視に利用していると報じています。

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そのため、ポンペオ国務長官氏はアメリカの通信ネットワークから中国の影響力を排除する「クリーンネットワーク構想」を発表し、TikTok、ウィーチャットなどの中国製のスマホアプリなどの制限を行うと表明しています。

 

クリーンネットワーク構想の5つの内容

01.クリーンキャリア・・中国の「信頼できない通信キャリア」をアメリカの通信ネットワークに接続させない

02.クリーンストア・・アメリカのアプリストアから中国製などの「信頼できないアプリ」の排除

03.クリーンアップス・・ファーウェイなど「信頼できない中国のスマホメーカー」の製品で、アメリカ製アプリを利用できなくさせる

04.クリーンクラウド・・ アリババ、バイドゥ、テンセントなどの中国企業が、アメリカのクラウドにアクセスするのを防ぐ

05.クリーンケーブル・・中国と各国のインターネットを繋げる海底ケーブルが、中国共産党の情報収集に使われないようにする

~引用:ハフポスト~

 

まとめ

この記事をざっくり要約すると
  1. 2019年世界スマホ出荷台数ランキング1位サムスン、2位ファーウェイ、3位アップル
  2. ファーウェイが20年第2四半期で世界首位へ。米国の包囲網構築で今後は不透明。
  3. スマホOSシェアはアンドロイド(グーグル)71%、iOS(アップル)28.5%の2社独占
  4. アップルは株価好調にて時価総額の世界首位に立つ
  5. 5G覇権をめぐる米中の対立激化。背景には中国のデジタル一帯一路構想と中国に遅れをとった米国の焦りがある
  6. クリーンネットワーク構想でTikTokなど中国製アプリも使用禁止の方向へ

 

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